↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『白髪の天使は折り紙を折る 〜HP無限の転生令嬢、最強の家族にノンストップで溺愛される〜』  作者: CASCADE


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
172/198

第172話:新技の開発と、小さな陣地



「……うん、やっぱりこれだと魔力の流れが途切れちゃうな」


自分の部屋の机に向かい、私は小さく息をついた。


机の上に広がっているのは、魔導紙で折った幾何学模様のユニットパーツ――小さな箱や面を組み合わせる「ユニット折り紙」の試作品だ。


来月に迫った学園の「定期魔導演習」。

今回の課題は、押し寄せる魔導人形(ゴーレム)の群れから陣地を守り抜く模擬防衛戦だ。


(絶対耐久の折り鶴は、点での防御には完璧だけど……クラスみんなを守る広範囲の防衛となると、複数のパーツを噛み合わせて『面』の防衛網を作らないとダメね)


前世の病室で一人静かに紙を折っていた頃、よく作っていたパーツを何十個も組み合わせて球体や面を作る立体パズル。

あの構造を応用して、複数の魔導紙同士を噛み合わせ、広大な防壁を展開できないかと考えたのだ。


「ガウッ?」


足元で丸くなっていたノワールが、心配そうに鼻先を私の膝に乗せてくる。


「ふふ、大丈夫だよノワール。ちょっと行き詰まっちゃっただけ」


ノワールの頭を撫でながら苦笑いしていると、部屋の窓がトン、トンと叩かれた。


窓の外を見ると、一羽の小さな使い魔の鳥が止まっている。

脚に結びつけられた筒から手紙を取り出すと、そこには懐かしいエリアス先生の綺麗な文字が踊っていた。


『オリカ様へ。

実家での騒ぎ(主に公爵夫妻の過保護な爆発)は私が何とか抑え込んでおりますのでご安心ください。


さて、そろそろ学園では定期演習の準備が始まる頃でしょうか。

単体の点による絶対耐久から、複数を連動させた面による魔力循環へ――。

もし新しい試みに挑戦されるのでしたら、「紙の折り目とジョイント」そのものを魔力の流路(回路)として捉え直してみてください。


健闘をお祈りしております。』


「……! ジョイント部分を魔力回路に……!」


エリアス先生からの手紙を読み、目から鱗が落ちる思いだった。


これまでは折り上げたパーツ単体の強度ばかり考えていたけれど、パーツ同士の差し込み口(折り目)を通して魔力を循環させれば、多面体の巨大な結界陣として機能させることができるはずだ。


「ありがとう、エリアス先生……!」


私はすぐさま新しい魔導紙を取り出し、指先を素早く動かし始めた。


1枚、2枚と折り上げられた幾何学パーツが、互いの折り目を噛み合わせながら、美しく立体的な陣地基盤へと組み上がっていく。


「これで……魔力を流してみたら……!」


カッと淡い光が放たれ、パーツから展開された半透明の幾何学障壁が私とノワールを包み込んだ。

何重もの魔力線が規則正しく格子を描き、圧倒的な密度の防壁を作り出している。


「できた……! 『折り紙結界・千紙陣(せんしじん)』の基礎……!」


「ガウガウッ!」


ノワールも嬉しそうに尻尾を振って鳴き声をあげる。


パーツ同士の噛み合いが生み出す絶対の『面』。

クラスのみんなを守るための新しい力。

私の折り紙魔法は、演習に向けて確かな手応えを掴み始めていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。