第15話:初めてのお茶会デビュー
魔力測定(お披露目)も無事に終わり、
私の魔力は公式に「5(生活魔法)」として
登録された。
これでひとまず一安心。
おもちゃをカスタムして、
国家防衛レベルの『無敵の木馬』を
手に入れてからは、お部屋でまったりと
スローライフを満喫していたのだけれど……。
そんなある日の朝、
エヴェレット公爵邸は、朝から
お祭り騒ぎのような忙しさを見せていた。
なぜなら今日は、我が家が主催する
『他領の貴族を招いたお茶会』が
庭園で執り行われるからだ。
大貴族の公爵家にとって、
定期的に他家と親睦を深めるお茶会は
とても大切なお仕事らしい。
そして今回は、測定を終えた私も
初めて同席することになっていた。
「ああ、私の愛しいオリカ!
なんて可愛らしいのかしら……!」
ママ(エレノア)が、
涙ぐみながら私におめかしをしてくれる。
今日のために仕立てられたドレスは、
お庭の緑に映える淡いピンク色で、
フリルがたっぷりの最高級シルク製。
まるでお人形さんになった気分だ。
(ちょっと動きづらいけれど、
前世ではこんなきらびやかなお茶会、
縁がなかったからちょっとワクワクするわね)
パパ(ギルバート)も、
仕立てのいい礼服に身を包み、
デレデレの笑顔で私を抱き上げた。
「今日のお茶会はオリカの社交界デビューだ。
我が娘の愛らしさに、皆
度肝を抜かれるに違いない!」
「父上、オリカが緊張してしまいます。
まずは僕たちがそばで
しっかりサポートしなければ」
お兄様もバシッと正装を決めていて、
いつも以上に大人びてかっこいい。
家族全員に温かく見守られながら、
私はパパに抱っこされて、
色とりどりの花が咲き誇る大庭園へと向かった。
庭園へと一歩足を踏み入れると――
「おお……!」「なんて愛らしい……!」と、
大勢の貴族たちから一斉に感嘆の声が上がった。
私はパパの腕の中から、ちょっと緊張しつつも
「あうー」と小さく手を振ってみた。
その瞬間、会場のあちこちから
「くっ……!」「尊い……」と、
胸を押さえる大人の貴族たちの声が聞こえた。
(※どうやらエヴェレット家以外にも
私の可愛さは効果抜群らしい)
しかし、そんな和やかな空気の中。
きらびやかな衣装を着た、
ある一人の『少年貴族』が、
少し離れたところからじっと私を
冷ややかな目で見つめていることに、
私はまだ気づいていなかったのである――。




