第164話:賑やかな昼食と、新しい友人
実技試験の熱気も冷めやらぬまま、
午前の授業を終えた私たちは学園の大食堂へと向かった。
吹き抜けの天井と美しいステンドグラスが印象的な食堂には、
すでに多くの生徒が集まり、楽しげな歓声を響かせている。
「オリカ様! よろしければ、ご一緒にいかがですか?」
「あ、はい! 喜んで!」
声をかけてくれたのは、実技測定で美しい火炎魔法を放っていた
伯爵家の令嬢、エレナさんだった。
彼女に導かれて席に着くと、あっという間に
周囲をSクラスのクラスメイトたちに囲まれる。
「さっきの折り紙魔法、本当にすごかったわ!」
「あんな完璧なデコイ、今まで見たことないよ」
「よかったら、今度魔法の仕組みを教えてくれないか?」
口々に賞賛の言葉をかけてくれるみんなの温かさに、
私の胸はぽかぽかと温かくなった。
(みんな、私の魔法をこんな風に受け入れてくれるなんて……)
「ええ、私でよければ喜んで!
折り紙の折り方から、ゆっくりお教えしますね」
私が笑みを浮かべて答えると、クラスメイトたちも
パッと表情を輝かせ、和やかな会話が弾み始めた。
――と、その時。
「オリカーッ! 兄が昼食の特製弁当を持って駆けつけたぞ!」
食堂の扉を豪快に開けて現れたのは、
両手に豪華な二段重を持ったお兄様だった。
「お、お兄様!? ここはSクラスの席ですよ……!?」
「フッ、妹の栄養管理は兄の務め!
さあオリカ、極上の肉料理と採れたて野菜のサラダだ!」
周囲の生徒たちが「あのアレクシス様が……」と
温かい(?)苦笑いを浮かべながら見守る中、
お兄様は堂々と私の隣の席をキープした。
「もう……お兄様ったら、目立ちすぎです」
「ハハハ! 妹に呆れられるのもまた兄の悦び!」
呆れつつも、お兄様の持ってきてくれたお重を
クラスメイトのみんなと分け合いながらいただく。
社交界での経験、家族からの愛、そして努力で磨いた魔法。
全てを背負って飛び込んだこの学園で、
私は今、かけがえのない第一歩を踏み出している。
(お父様、お母様、ノワール……
私、学園で楽しくやっていけそうです!)
にぎやかな歓声と美味しいお料理に包まれながら、
私の新しい毎日は、輝かしい光とともに続いていくのだった。




