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『白髪の天使は折り紙を折る 〜HP無限の転生令嬢、最強の家族にノンストップで溺愛される〜』  作者: CASCADE


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第158話:嵐の二日前と、過保護な決断(?)




学園への入学が、ついにあと二日後に迫った。


私の部屋は今、まるで遠征にでも向かうのかというほどの

荷物の山と、大騒ぎする両親によって大混乱に陥っている。


「オリカ! 防寒具の予備は持ったか!?

学園の冬は冷え込むと聞く!

それから……魔導書の予備と、極上の羊皮紙束もだ!」


「お父様、それはもう鞄に入っています……!

というか、私ひとりで持ちきれないほどの量になっていますよ!?」


私がベッドの上の大きなトレイに溢れる荷物を指差すと、

今度はお母様が青ざめた顔で私の両手を握りしめてきた。


「オリカ、学園の寮のご飯はあなたの口に合うかしら……?

やっぱり、我が家の専属料理長を寮に送り込むべきよ!

ううん、いっそのこと学園の隣に我が家の別邸を買い取って、

そこから通わせるように申請しましょう!」


「お母様!? 流石にそれは学園の規則でダメですって!

寮生活も含めての学びなんですから……!」


いつもは威厳に満ちた公爵夫妻であるはずの二人が、

私の入学を前にして完全に冷静さを失っている。


あっちへ行き、こっちへ走り回る二人を前に、

足元のノワールも「ふぅ……」と大きな溜め息をつくように

鼻を鳴らした。


すると突然、お父様がガタッと音を立てて立ち上がり、

真剣すぎる目つきで私の肩を掴んだ。


「……オリカ。やはりだ。

やはり入学は取りやめにしよう」


「はい!???」


思わず素で裏返った声を上げてしまった私に、

お父様は大真面目な顔で頷いてみせる。


「そうだ、それがいい!

我がエヴェレット家の財力とエリアスの知識があれば、

学園に通わずとも最高の教育は受けられる!

わざわざ可愛い愛娘を、私の目の届かない寮などに

押し込める必要などどこにもないのだからな!」


「お父様、何をおっしゃっているんですか!?

もう手続きも制服の準備も終わっていますし、

お兄様だって学園で待ってくれているんですよ!?」


「アレクシスか……あやつなら『オリカが来ない!?

ならば私が学園をやめて屋敷に戻る!』と言い出しかねんが……」


「余計にダメじゃないですかー!!」


頭を抱える私を見て、見守っていたエリアス先生が

「やれやれ」といった様子でくすりと微笑み、口を挟んでくれた。


「公爵様、公爵夫人。

オリカ様のご成長を心配されるお気持ちは分かりますが、

オリカ様はこの日のために、魔道具の開発も社交の準備も

血のにじむような努力で重ねてこられたのですよ」


エリアス先生の優しい一言に、

両親はハッと息を呑み、静かに私を見つめ返した。


「……そうですわね。

オリカがどれほど頑張ってきたか、私たちが一番知っているのに……」


「うむ……情けないところを見せたな、オリカ。

お前が立派に羽ばたこうとしているのを、邪魔するわけにはいかん」


少し寂しそうに、けれど誇らしげに微笑む両親に、

私はぎゅっと胸が温かくなるのを感じた。


「お父様、お母様。

大丈夫です、私はエヴェレット家の娘ですから!

2日後の入学式、胸を張って行ってきますね!」


「くぅ~ん!」


ノワールも同意するように力強くひと鳴きし、

部屋の中に温かな笑い声が広がった。


過保護すぎる家族の愛を全身に浴びながら、

私はついに、あと二日と迫った旅立ちの日を迎えるのだった。

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