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『白髪の天使は折り紙を折る 〜HP無限の転生令嬢、最強の家族にノンストップで溺愛される〜』  作者: CASCADE


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第157話:王都の仕立屋と、はしゃぐ両親




手作りクッキーの騒動から、しばらくが経った頃。


今日は王立魔導学園の入学手続きの一環として、

指定の制服を採寸するために、

家族で王都にある老舗の高級仕立屋を訪れていた。


「いらっしゃいませ、エヴェレット公爵様。

本日はオリカ様の制服の採寸ですね。

すでに生地と試着用の型をご用意しております」


店主に案内され、私と両親は

シックで落ち着いた特別室へと通された。


学園の制服は、深い紺色を基調としたジャケットに、

上品なチェックスカート。

胸元にはエヴェレット家の紋章を入れる刺繍が施される予定だ。


「ではオリカ様、こちらの試着用を一度ご着用ください」


採寸用のサンプルに袖を通し、姿見の前に立つ。

仕立屋の姿見に映ったのは、

すっかりお姉さんの雰囲気になった自分の姿だった。


(うわぁ……本当に学園に通うんだなぁ。

前世では制服を着る機会なんてなかったから、

なんだかちょっと気恥ずかしいかも……)


照れくささに少しモジモジしながら、

待合スペースで待つお父様とお母様の元へ向かう。


「お父様、お母様……。

こんな感じでいかがでしょうか……?」


カテシーをするようにスカートの裾を軽く持ち上げると、

ソファーに座っていた両親の動きがピタリと止まった。


「「……!!!」」


二人は一瞬、息を呑んで静まり返ったと思うと、

弾かれたように勢いよく立ち上がった。


「お、お前たち!! 今すぐ王都中の画家を集めろ!

いや、カメラ型の魔導具でもいい!

この世界で一番美しい姿を、あらゆる角度から記録するのだ!」


お父様が興奮のあまり、仕立屋の店員たちの肩を掴んで揺さぶり始める。


「まあ素晴らしいわ、オリカ!

なんて愛らしいの……!

ジャケットのラインもスカートの丈も完璧よ!

仕立屋の店主、この生地のグレードを最高級の絹糸織りに変更してちょうだい!

何着でも作りますわ!」


お母様もいつもの淑やかな笑みをどこかへ吹き飛ばし、

目を輝かせて生地のサンプルを次々と指定していく。


「あ、あの、お父様!? お母様!?

ちょっと落ち着いてください……!

店員さんたちが困っていますから……!」


「「オリカが可愛すぎるのが悪い(のだ)!!」」


まさかのハモりを見せる両親に、私は思わず頭を抱えた。


周囲の店員さんたちは、普段は冷徹で知られるエヴェレット公爵夫妻の

見たこともない狂乱ぶりに引きつった笑顔を浮かべている。


(学園に入る前から、こんなに目立っちゃって大丈夫なのかな……)


両親の重すぎる愛と熱量に圧倒されながらも、

私は苦笑い混じりの幸せな溜め息をつくのだった。

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