第149話:用途に応じた展開と、広がる可能性
「ふふ、確かに処分できない密書というのも嫌ですものね。読むなり自動で消滅する燃焼術式を組み込むか、魔力を切ったらただの紙に戻るくらいの調整が必要そうです」
「ええ、それが賢明でしょうね。ですが、その『破壊不可能なほどの強度』というのも、用途を変えれば凄まじい強みになりますよ」
エリアス先生は机の上の魔導紙を指先でなでながら、興味深そうに言葉を続けた。
「例えば、相手の動きを制限する拘束具としての利用です。一羽では小さな折り鶴でも、絶対に壊れない強度を持たせて二羽、三羽と相手にまとわりつかせれば……関節や動きを封じる強力な拘束術となります」
「あ……! 確かに、壊れないなら相手を捕まえたり、攻撃を逸らしたりする道具として使えばいいんですね」
手紙という発想にとらわれていたけれど、折り紙の『形』と『数』、そして『付与する効果』の組み合わせ次第で、バリエーションはいくらでも作れるのだ。
「鶴だけでなく、他の動物や道具の形も試してみましょう。用途に合わせて『偵察用』『連絡用』『拘束・防護用』と分けて用意できれば……」
「学園のどんな実技試験が来ても、即座に対応できる万能の装備になりますね!」
私が目を輝かせると、エリアス先生も深く頷いてくれた。
「素晴らしい発想です。ではオリカ様、さっそく次のバリエーションの試作に取りかかるといたしましょう」
折り紙と魔法の組み合わせが生み出す無限の可能性に、私の胸は高鳴るばかりだった。




