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『白髪の天使は折り紙を折る 〜HP無限の転生令嬢、最強の家族にノンストップで溺愛される〜』  作者: CASCADE


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第12話:天使、おやつをカスタムする




お兄様(ルファス)という、

この上なく頼もしい「共犯者」が

できてから数日。



私がただの赤ちゃんではないと

察してくれたお兄様は、

約束通り、私の不審な動きを

それとなく周囲から隠してくれるようになった。



おかげで、私の隠密ライフは

劇的にやりやすくなったのである。



そんなある日の昼下がり.

お兄様がパパ(ギルバート)の

お仕事の手伝いで部屋を外しており、

メイドさんもお茶の準備で

少しだけ席を外していた。



つまり、完全な「ひとりきり」の自由時間。



(……よし、今がチャンスね!)



私はベッドの上でむくりと起き上がった。



私の目の前には、ママ(エレノア)が

「お留守番用のおやつに」と

置いていってくれた、

赤ちゃん用の薄味のクッキーがある。



この世界のおやつも美味しいのだけれど、

赤ちゃん用ということもあって、

味がすっごく薄くて、食感もモソモソしている。



(贅沢は言えないけど……

前世で食べていた、あのバターたっぷりの

サクサクで甘いクッキーが恋しいなぁ。

私に食べ物の味を美味しくするような

『付与』のスキルがあればいいのに……)



そう思った瞬間、ふと閃いた。



(待って。私の【生活魔法(無属性)】って、

∞の魔力と合わさったら

何でもアリの万能魔法になってたわよね?

それに、あの規格外の【錬金】スキルを

ちょっと応用すれば……ゼロから作れなくても、

このクッキーに『美味しい効果』を

上書き(付与)することくらい、できるんじゃ……?)



ダメ元だ。一か八か、やってみよう。

形はそのままでいい。



(味だけ、前世の高級クッキーみたいに

『濃厚でサクサク』になりますように……!)



私はお皿の上のクッキーに小さな手をかざし、

頭の中で「おいしい味」を強く思い描いた。



――その瞬間。



ピカァァァ!



やっぱり、部屋の隅が

まばゆい「真っ白な光」に包まれた。



(ひゃあ!? やっぱりちょっと

イメージしただけで魔力が最高出力で

流れてっちゃうのね!?)



光が収まると、ベッドの周りには

ふんわりと香ばしい、高級バターの

良い匂いが立ち込めていた。

見た目はただの赤ちゃんクッキーなのに、

放つオーラが明らかに変わっている。



と同時に、お約束のシステムメッセージが

視界にピコンと浮かび上がる。



===============

【無属性魔法&錬金応用:付与成功】

・対象:赤ちゃん用クッキー

・品質:神話級(ゴッドレア)

・特性:【疲労完全回復】

※詳細:一口食べるだけで、あらゆる肉体疲労と

精神疲労を完全に回復する。

===============



……私は、そっと遠い目をした。



(ただの味変のつもりが、

とんでもない回復効果を

付与しちゃったんだけど……!?)



これだけでも、この世界の常識からしたら

十分すぎるほどの超絶チートお菓子だ。



だけど、匂いはめちゃくちゃ美味しそうだ。

私は我慢できずに、小さな前歯で

クッキーをひとかじりしてみた。



――サクッ。



(……っ!! 美味しいーーー!!)



口いっぱいに広がる優しい甘さとサクサク感。

それと同時に、体の中からポカポカと

凄まじい活力が湧き上がってくるのを感じる。

(※元々HPもMPも無限なので、

ただただ元気になりすぎて夜眠れなくなりそうな勢いだ)



その時、ガチャリと部屋の扉が開く音がした。



「オリカ、ただいま。父上の話が長くて……って、

おや? なんだかすごく良い匂いがするね?」



戻ってきたお兄様が、

クンクンと鼻を鳴らしながら

ベッドの方へ歩いてくる。



(やばい! チートクッキーを見つけられる!)



私は大慌てで、残りのクッキーを

マットレスの裏に隠してある

あの神話級の「紙の小箱(アイテムボックス)」へ

放り込み、何事もなかったかのように

口をもぐもぐさせながら、

お兄様を「あーうー!」と出迎えるのだった。

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