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第7話 《異世界も現実》

 咆哮が聞こえ、廊下な窓に寄るものの、森の中なのか、見えることはない。その様子にガリディアは咎めず、アリスに案内してやれ、と目配せをしている。

「かしこまりました」

 アリスはそう丁寧に頭をガリディアに下げては少し嫌そうではあるもののミヤビに声をかける。

「ミヤビ様、行きましょう、ご案内させていただきます」

「あ…ありがとうございます」

 迷惑かけた気がする、と半ば後悔しながらもこの世界のことを知るために案内は頼むのだが。

 そこから数分だろうか。屋敷を出て、森へ歩いていると晴れ渡る空に似合わない程不気味な、咆哮が何度も聞こえてくる。きっと戦闘が起きているのだろう。そしてその地点へ到着すると、テラスが交戦している。相手は灰色の毛並みを持つ狼のような生物だ。そのせいかほんの少しあたりは血の匂いか何かで生臭い。全長は5m程であり、結構な巨体を持つ。その狼の振るった爪は木をなぎ倒しているが、テラスはその攻撃を飛び避けて、ナイフを狼の腕に深く突き刺して暴れるより先にそこを支点に自分の体を持ち上げてオオカミに飛び乗って項を切り裂く。ブシャッ!と血がテラスに付着する。

「ぁ…、やっちゃったよ」

だなんて苦笑いをする彼はこちらの方を見て少し驚いたような表情を浮かべては。

「おはよう、見に来たん?」

と述べているが、隣にいるアリスのことを見て固まっている。そして段々と顔は青ざめている。

「テラス様。次から自分で洗うと約束しましたよね、頼ってこないでくださいね?」

 ほんの少し怒気の含まれたような声色に思わず背筋を伸ばすミヤビと苦笑いが顔に張り付いてしまったテラスはその場で数秒固まる。そしてテラスは現実逃避するように倒れたおおかみから降り、そのまま通り過ぎようとしている。

「テラス様、魔法を早く覚えてください」

「わかってますよぉ。でも飛ばすの難しいんですよ…」

「ちゃんと練習してください。そうしたらできます」

 そうテラスとアリスは話しながら戻っていく。え、放置?と困惑しながらも何とか走ってついて行く。

屋敷に到着すれば数人の男の人たちが森へ入っていった。不思議そうに見ているとテラスが声をかけてくれる。

「あれは解体業者の人だよ。ここは街外れにあるから住み込みで雇ってるんだって。魔獣も生きてるからさ。素人が解体するにはデカすぎるからね…。ちなみ、解体された素材は狩猟した人が貰えるんだけど、そのまま解体業者に売れたりもするんだ」

「なんか、異世界も生々しいね…」

「まぁ、確かに…。でも異世界でも現実だし、しょうがないよ。その代わり日本とかよりもいい人ばかりだし、アニメキャラっぽい可愛さのある人ばかりで良くない?」

 そうテラスは明るく笑っている。どうしてもミヤビは、あの狼の血腥い匂いに、血が溜まっている様子に少しなれず、苦笑いをするしかない。

「あ、それと、護身用として、ミヤビにウルフェンドの爪を使ったナイフの制作お願いしてるから、楽しみにしてて?

あの爪、めちゃくちゃ切れるから、魔獣解体用のナイフによく使われるんだよね~」

「楽しみ、かな、?」

 楽しみかと言われたら別にそうでもないのでそう首を傾げていると、そこへアリスが現れる。

「ミヤビ様、テラス様、朝食が冷めているので早く食べてください。ミヤビ様、今日はしょうがないですが、明日の朝から朝食の準備、手伝ってもらいますからね。」

「あ、はい…」

 テラスの服を結局アリスが洗ったのか少し不機嫌にジト目でミヤビとテラスをみて食堂へ促す。

異世界は、現実であることを噛み締めて、食堂へ向かう。

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