夏祭り
「それで、その浴衣をレンタルする場所にみんなで集合することになりました
……航さん、聞いてます?」
「うん」
「花火が20時からなので、
終わって帰るの遅くなりそうだから
泊まって行ってもいいですか?」
「…………は?どこに?」
「ここにです……」
「え、家に送ってくからいいよ」
「でも、17時から集合して、車も渋滞するから歩いて行こうって話になりましたよね?そしたら40分くらいかかるし航さんも疲れるかなって」
「……なぎささんがいいならいいけど」
「運転しなくてよかったらお酒も飲めますし、ね?」
嬉しいけど……大丈夫かな……
今は俺の家で来週の土曜日にある花火大会の
予定を話している
昨日あれからまた夜に姉ちゃんと電話で色々決めたらしい
「土曜日は、午前中おばあちゃんのとこに顔出して
それからここまでくるので一緒に集合場所まで行きましょう」
「泊まるなら荷物もあるでしょ、暑いし迎えに行くから」
「あ……そうか、……お言葉に甘えます」
うわー、なんでこんなに緊張するんだろ、
姉ちゃんの彼氏にも初めて会うし大丈夫かな?
「なぎささん何色着るの?」
「えっわからないですその場で決めるのかな?」
「そんないっぱいあるものなの?笑」
「あおいさんに確認してみようかな……」
「ちょっとトイレ」
トイレから戻ると
「…………あおいさんがもう決めてくれてるみたいです笑」
最近やっとなぎささんがLINEを始めてくれて
姉ちゃんにもLINEしたみたいだ
友達の数は少ないし返事返すの遅いけど
頑張ってくれている笑
「……あいつすげーよな笑
なぎささん着たい色あったんじゃないの?」
「私何色が合うとかわからないので
あおいさんが決めてくれてるの見るのすっごく楽しみです」
「なぎささんって良い方に考えられるからいいよね、
そういうところ」
「……ありがとうございます」
顔を見るとたまらなくかわいい
「……キスしていい?少しだけだから」
「……はい」
もじもじと2人でくっついて
チュッと唇をくっつけてすぐに離す
「……抱きしめてほしいです」
優しく手を回して抱きしめる
腕の中にすっぽりおさまってて温かい
好きだなぁ……
息を吸うたびにいい匂いがしてスンスンと
鼻を首筋に近づける
「ふふっくすぐったいです」
はぁ、かわいすぎる、
「よし、そろそろ送ろうかな」
家まで送り、自分の家に着くと
独りが寂しく感じてしまう
もっと一緒にいられたらな……
また平日は会えないけど
たまに写真送ったりしてLINEも返してくれる
交換ノートもまだ一応続けている
もうほとんど聞くこともなくなって
お絵描きしたり日記のようになってきている笑
そしてとうとう、夏祭りの日が来てしまった
朝からそわそわ緊張してしまう
なぎささんが泊まりにくるから、お風呂掃除したり
布団の準備をしたりと部屋がどんどん綺麗になって行く……
来客がくるって掃除しなきゃいけなくなるから
逆に片付いたりするな笑
予定より少し早めに、なぎささんを迎えに行くことに
「こんにちは」
「ごめん、急かしちゃって笑
ドラッグストアで歯ブラシとか買う?
今日泊まるからなんか必要なもの買いに行こうと思って」
「はい、ありがとうございます」
「明日の朝ご飯とかも買っとこう」
ドラッグストアの後はスーパーに寄って
次の日の朝ご飯やお昼ご飯の材料を買った
大量の荷物を持って帰ってくる
「重くない?ごめん、待たせちゃって」
「全然!これ1番軽いやつです」
「は〜、俺姉ちゃんの彼氏に会うの緊張してるんだよね」
「会うの初めてですか?」
「そうなんだよね、彼氏の存在は知ってたけど」
「どんな人なんだろう……」
「ちわっす!!」
姉ちゃんの彼氏……
めちゃくちゃイケメンじゃん、笑ったら可愛い系だし
すげ〜……
「こんにちは、弟の航です
彼女のなぎささんです」
「あっ、あおいさんの彼氏の暁人です
みんなからアキって呼ばれてます!」
「あおいさんの弟くん俺より身長高い!!
あおいさん〜身長負けた〜!!」
「アキくんちょっと静かに!
なぎさちゃん、女子はこっちで着付けしてもらおう!
航もアキくんもカッコよくしてきてね」
「はーい」
「航くんだったよね?よろしくね」
「暁人さん姉ちゃんと付き合ってどのくらいですか?」
「この前1年経ったくらいだよ笑」
「姉ちゃんワガママすごいでしょ?」
「んー、俺の方がワガママ聞いてもらってるかも?
あおいさん面倒見の良いところあるから」
え?あのワガママ姉ちゃんが?
色々話したら後で怒られそうだな……笑
めちゃくちゃ話しやすい人で安心した……
決められていた浴衣を着付けしてもらい
女性陣を待つことに
姉ちゃんが俺に選んだ浴衣は黒のシンプルなやつで
まじで助かった
暁人さんのも暁人さんがしっかり着こなしていて
めちゃくちゃカッコいい
「暁人さんモテそうですね」
「俺なんか全然!、あおいさんがヤバいから笑」
「え?そうなんですか?」
「あおいさん俺より一個上なんだけど
まじで幅広くモテてる、俺もまじ焦るもん笑」
「え!!、暁人さん一個下なんですね!
同級生だと思ってました
姉ちゃんも、まぁ、昔からコミュ力お化けっつーか
すぐ友達できたり輪の中心にいたりって感じだったんで」
そういえば今の彼氏も恋愛経験ないって話昔してたな……
暁人さんは姉ちゃんが初めての彼女なのか……
「だよね?
俺もさ、最初あおいさんと付き合える自信なくて
今もめちゃくちゃ自信ある訳じゃないんだけどね」
こんなイケメンなのにそんなこと思うんだな……
「でも好きだからあおいさんのこと幸せにできるように
俺なりに頑張ってるつもり笑」
ニカッと笑うと八重歯とえくぼが見えて可愛らしい顔になる
「めっちゃイケメンですね」
「ええ!!俺?!」
「仲良くなった?笑」
暁人さんと話してたら2人とも目の前まで来ていた
「あおいさん、めちゃくちゃかわいい!!」
「……ありがとう、アキくんもカッコいいよ?」
「………………」
俺はなぎささんを見つめたまま何も言葉を発せずにいた
紺色に白の花があしらわれたデザインの浴衣で
いつもの可愛さに色気が交じったような雰囲気だった
髪の毛もアップにされていてうなじがエロい
「……あおいさんに選んでもらって可愛い浴衣着せてもらえました」
「…………めちゃくちゃ綺麗」
「っ、!……ありがとうございます」
2人ともめちゃくちゃ顔が赤くなってることだろう……
「航さんもカッコいいです」
「……黒でよかった笑」
「私のチョイス間違って無かったでしょ?
2人とも落ち着いた雰囲気にしといたから!
私たちは攻めたけど!!笑」
「あおいさん流石っす!」
「アキくん写真撮ろー!
あ!せっかくだし4人でも!!
この後別行動だから!」
4人で写真を撮ってもらった
「お母さんにも送っとこー♪
じゃあ、航、なぎさちゃんまたね!!
なぎさちゃん後でまたLINEしよー!」
「航くん、またね!これから末長くよろしく!!」
2人とも手を振って行ってしまい、
なぎささんと2人きりになった




