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第49話:絶対領域の防衛戦と、灰色の世界を溶かすラベン

 夜はさらに更けていった。


 テントの外の焚き火は小さくなり、フォレンス森の冷たい風に抗いながら、小さな赤い炭火が静かにパチパチと音を立てるだけになっていた。


 40銅貨の緑色のテントの中は、快適とは程遠い状況だった。

 その値段の通り、『2人用』のテントは、あまり動かない非常に痩せた二人向けに設計されたものだったのだ。


 レントとカエンにとって、このテントはマッチ箱のように感じられた。


 カエンシスタはレントに背を向けて、横向きに寝ていた。

 少女は『拾い物』のバックパックを即席の抱き枕として抱きしめ、隣の青年に触れないように自分の体をできるだけ小さく丸めようとしている。


 しかし、無駄だった。

 二人のどちらかが深呼吸をするたびに、肩が触れ合ってしまうほどの狭さなのだ。


 彼らの足元では、フィラ・バンが分厚い毛玉のようにスヤスヤと寝息を立てている。

 モロはテントの隅で非常に薄い青い光を放ちながら、スリープモードで休んでいた。


「ねえ、鉄仮面」


 気まずい沈黙を破り、カエンが囁いた。

 彼女の声は警戒を含んでいた。


「何だ」


 レントは平坦に返した。

 彼は両手を腹の上に組んで仰向けになり、テントの暗い天井を見つめている。


「あんたの左肘と私の背中の間の距離が、見えない境界線よ」


 カエンは薄い毛布を顔の半分まで引き上げながら脅した。


「もし寝てる間にこの境界線を越えたり、あんたの手が無意識に私の方へ『探検』しに来たりしたら……あんたの手を切り落として、フィラの口に放り込んでやるから」


 レントは長いため息をついた。

 この女の癖のせいで、彼の寿命は確実に縮みそうだった。


「聞け、口うるさい女」


 レントは極度に疲れた口調で言った。


「第一に、この空間は非常に狭く、俺たちの肘は5分前からすでに触れ合っている。第二に、俺はさっき外で頭痛で死にかけたばかりで、エネルギーはすでにマイナスだ」


「……」


「だから、その馬鹿げた脅しはしまって、俺が安心して寝られるように、お前をテントの外に本当に放り出す前にさっさと寝ろ」


 カエンは苛立たしげに鼻を鳴らした。


「チッ。本当にデリカシーのない男」


 口では文句を言い続けていたが、カエンの肉体的な疲労は嘘をつけなかった。

 オシャレなブーツで一日中草原を歩き回り、お菓子の詰まった重いカバンを背負っていた代償が、ついに請求されたのだ。


 10分も経たないうちにカエンの小言は静まり、規則的で穏やかな寝息へと変わった。

 少女は深い眠りに落ちた。


 ◇ ◇ ◇


 小言から解放されて安全だと感じたレントは、ゆっくりと顔を右側に向けた。


 テントの生地を透かして差し込む、かすかな月明かりの下。

 レントは、紫色の髪の少女の背中を見つめた。


 カエンのポニーテールはすでに解かれており、乱れた長い髪がレントの腕に触れるまで散らばっている。

 時折、カエンの華奢な肩が静かに上下した。


 レントは無言だった。

 森の静寂が再び彼らを包み込む。


 しかし今回は、あの外での出来事のようなトラウマの記憶を呼び起こすことはなかった。


 レントの瞳は虚ろだったが、彼の思考は元の世界へと漂っていた。


 地球で、彼の古い家で。

 彼には優しい母と、そして……そう、少し『過保護』すぎる姉がいた。


 彼は家から追い出されたわけでも、家族から見捨てられたわけでもない。

 しかし精神的には、レントは常に自分を一人ぼっちだと感じていた。


 彼は部屋に閉じこもり、壁を見つめ、『空っぽの器』を構築し、自分の世界を色のない灰色のままにしていた。

 彼自身が作り出したその孤独は、冷たく凍りつくようなものだった。


 しかし今夜、エルテリオンという名のこの見知らぬ世界で。

 足を伸ばすことすらできない、このガラクタテントの中で……。


 レントは、足元でフィラが立てる穏やかな寝息を聞いていた。

 モロの静かな静電気のハムノイズを聞いた。


 そして彼の隣には、彼自身の魂の反射であるナルシストな少女からの、微かな体の温もりがある。

 先ほど、彼が苦しんでいるのを見て、ただパニックになって汚れた地面に膝をついた少女。


 レントが『トラウマ』という言葉を思い起こしてから初めて、青年の胸は息苦しさを感じなかった。

 この静寂は恐ろしいものではない。


 彼の心の中の灰色の空間に、温かいパステルカラーの絵の具が少しだけ塗られたかのようだった。


(狭いな)


 レントは心の中でつぶやいた。

 すごく狭くて、面倒くさい。


 しかし、無意識のうちに。

 その平坦な顔の青年の口角が、ほんの少し、ごくわずかに持ち上がった。


 彼が決して認めないであろう、ミクロの微笑み。


(でも少なくとも……今夜は一人じゃない)


 レントはゆっくりと目を閉じた。

 カエンの髪から漂うラベンダーの香りと、テントの中の小さな温もりに包まれながら、レントはついに深い眠りへと落ちていった。

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