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唐辛子のような日々  作者: ミト
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山が動く

「お疲れ様でした。 緊張されたでしょう。」

田宮昇は私と代表の話が終わるのを待っていた感じだった。


「代表のお話はどうだったかな? 為になる話だった? 人柄は良かった? 君の感想でいいんだよ。 どんな些細な事でもいいから何か感じたことがあったのなら、僕に教えてくれないかな?」


田宮昇はコホンと軽く咳払いをし、私の肩に手を回して、ホールの端側の人気のないほうに連れ出した。

何だかさっきの彼とは別人の人格では無いかと思わせる真剣な雰囲気があった。


「いいかい、今から話すことは他言無用だよ。 

勿論君には君の意思があるから今から話すことをどのように解釈しても構わない。

ただ僕の想いを君に伝えたかっただけだから少しだけ聞いてもらえないかなぁ。」



突然そんなこと言われても私はどう反応して良いのかわからなかったが、田宮昇の真剣な顔つきからは、冗談や思い付きで話してる感じでは無かったので、私も無言で頷き、

「何をおっしゃりたいのかわかりませんが、田宮さんがおっしゃりたい事があるのでしたら、私はその事を誰にも話しませんし、茶化したりはしません。」


そう私は言うと、彼は小さな深呼吸をするポーズをとり、ゆっくりと口を開いた。




「まず私はある依頼者から相談を受けて、この会の実態を調べている。

ここの信者でも無いし、サラリーマンでも無い。」


彼はそう言うと持っていたペットボトルの水を一口含んで話を続けた。


「教祖的な代表、この運営の成り立ちから目的、そしてここに集まっている信者的な人はピュアに自然や健康、環境を考えて集まっているのか等々、あらゆる事を調べているんだ。

君はまだ洗脳? うーん まだこの会に染まっていないし、良くも悪くもゼロの状態だから、僕は君に話そうと思ったんだ。」


「私は初めてここに訪れて、初めての景色を見ています。

誰のお話が嘘で、誰が真実を語っているかは判りませんが、田宮さんの目的は他の人と異なっているのだけは理解しました。

ただ、田宮さんは私にその事を打ち明けたとなると、私に何を求めているのでしょうか?」


「結論から言うと、僕の協力者になって欲しい。

勿論、君の信仰や想いの邪魔をするつもりもないし、君に迷惑をかける気も一切無い。

でも僕一人での行動は怪しまれるのも時間の問題だし、限界もある。

君にとっても、この団体を正面で見るのと俯瞰から携えるのではより本質を見ることが出来るし、信じるならそれはそれで良いことでは無いだろうか?。

僕は疑いの気持ちでここに潜入しているが、それもまた正義かなんてわからない。

だから情報共有して何が真実か見てみたくは無いか?」


田宮昇の言っている事は的を得ているし、彼の言っている事は本当の事だと思う。

でも今日、気軽な気持ちでここに来て、突然いろいろな事が起こり、私は思考が一杯になり何と返答して良いのか分からなくなってしまった。



「なるほど。田宮さんの言う通り、信じる事、疑う事、どちらも必要な事は同感です。

どういった依頼で田宮さんはお調べになっているのかわかりませんが、私は自然や環境を大切に考えています。一方で利だけを追い求め犠牲の無い社会はありえないとも考えています。

この会は理想的な考え方ですが、そのひずみがあるとしたらお金なのか、時間なのか、はたまた努力や忍耐で克服できるのかは私も興味あります。

不信感からこの会に参加するのは不本意ですが、田宮さんの疑問が無くなり、私自身も理解を深めることが出来るなら協力致します。

よろしくお願い致します。」


私は今自分の言ってる事がどういうことを意味するのか分かっていないのかもしれないが、頭に浮かんだ気持ちを口に出していた。


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