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第二十六話 パーシャックの秘めた想い2


===============


システムメッセージ


 エピックウェポン:ユイリ愛用包丁+99の『家内安全IV』の効果が発動。

 タップスのレフトハンドソード+2が消滅しました。

 タップスに強睡眠効果発動。

 タップスは熟睡しました。


 

 フィルダーに混乱効果発動。

 フィルダーはタップスを担いで馬車へ向かいました。




 

 俺に憤怒の表情で向かって来ていたのはフィルダーではなくタップスのほうだったか。

 そんなどうでもいい事を考えて現実逃避をしてみるも直前まで死の予感はあったわけで。


 

 念のため自分のお腹と股間に触れてみる。

 よかった、無事だ………………

  



「え……え? 何が起きたんだ?」

 職務を全うしようとしたお供が突然奇行に走って工房から出て行ってしまったのだからこんな反応も仕方ない。

 



「それはここに残ってくれたら話すよ。信じてもらえるかは、わからないけど」

 直前まで漏らしそうになっていた男が何をすかした言い方してるんだと内心思ったが、これから大事な話をするのなら雰囲気作りも必要だし……って誰に言い訳してんるんだ俺は。



「そ、そうか……迎えの馬車も行っちゃったし今日もここに泊めてもらおう、かな?」

 戸惑った顔を浮かべるパーシャックだがここに残ってくれるとわかり、胸をなでおろす。

 ただ、問題はまだまだ山積みなわけで――

 



「話の前に」

「うん。わかってる」

 俺もパーシャックも心配する視線の先は一緒だった。

 ぐすんぐすんと泣きじゃくっているユイリちゃんを放っておくわけにはいかない。

 もうちょっとスマートに物事を運べる器量があればこんな風に悲しませる事もないのだけれど……悔しいし、歯がゆい。




「ユイリちゃん、ごめんね」

 返事も出来ないほど泣きじゃくるユイリちゃんを見ていると心が痛む。

 悲しませる原因を作ったのは俺だ。責任を持って全力フォローをせねばならない。



 泣いているユイリちゃんをよしよしと慰めながら優しく頭をなでる。するとそれに気付いたユイリちゃんが俺の胸に飛び込んで来て力いっぱい抱きしめてきた。俺もそれに応え、抱きしめ返してあげるとほどなくしてユイリちゃんは電池が切れたように泣き止み、穏やかな寝息をたて俺の腕の中でそのまま眠りについてしまった。


 


「ユイリちゃんを二階へ連れて行きますね」

「ああ、頼む」

「わらわも付いてくのじゃ」 

「ありがとう、ライオット」

 




 ユイリちゃんを起こさないようにお姫様抱っこで二階へ連れて行き、ゆっくりベッドの上に下ろす。

「ユイリちゃんが起きるまでここにいてもらっていいかな?」

 起きてみたら一人、それはあまりにかわいそうな事だ。

 本当は原因を作った俺がここに残るべきなのだが、明日までに武器を作り直さないといけないし、パーシャックの好感度あげもしなければならない。要は時間がない。


 

 こういった複数の大事な事柄の選択を迫られた時は選択する事柄に優先順位をしっかり定め、選ばなかった方を信頼できる他者に任せるべき、と成長して行く過程で自然に学んだ。

 ユイリちゃんの親友になったライオットならこの場を任せられる。

「まかせるのじゃ! でも」

「うん?」

 


 威勢のいい返事のあと、上目遣いのままで俺の様子を伺ってくる。

 なにか大事な事を見落としたか? 


 

 

 俺の反応に満足したのかどうかはわからないが、タメを作った後ニヤっと笑ってライオットはこう言った。

「夕食までには戻ってくるのじゃぞ?」

「お、おう」

 よかった、そういう事ね。


 


 階段を降りながらやるべき事を頭の中で整理する。

 バッドフラグを回避するための武器作り。これは解決策はまだ見つかっていない。もともと妥協して武器作りはしていないのだから仕方ないのだが、何かしら新しいエッセンスを加えないと駄目なのだろう。これは事情を話した後サーニャさんに助けを請うつもりだ。

 


 もう一つは、パーシャックの好感度を上げる事。

 恋愛SLGみたいに選択肢が出てきて、QセーブとかQロードを駆使出来れば総当りで行けるのだが何度も言うがここはゲームの世界じゃない。

 なので正攻法でパーシャックに俺の事を好きになってもらうしかないのだが……好きにって男同士でどうすればいいんだ? 友情を育めとかだったらまだ理解できるけどさ……もしかしてシステムメッセージの中の人が実は腐に明るい人で、俺からかわれてたりする? 



 いかんいかん。信じると決めたのは自分だろ、しっかりしろ。


 



「待たせた」 

「いや、いいんだ。ユイリは?」

「泣き疲れて寝てるから今はライオットに見てもらってるよ」

「そうか、一緒にいてやらなくていいのか?」


 

「一緒にいてあげたかったけど、その前にやらなくちゃいけないことがあるから」

「……じゃあ、仕方ないな」

「仕方ない」


 


「サーニャさん、パーシャック……ついでにシエラ。大事な話があります」

 視界の端にチラチラ映っていたシエラを真面目な話に加えるか悩んだが、こいつも工房の大事な仲間だ。仲間はずれにするのは間違っているよな――

「いや、にゃーはちょっと。オシッコをしに降りてきただけにゃんで戻ってもう一眠りしようかと」 前言撤回。駄猫娘はやっぱり駄猫娘だった。



  


 大事な話をするために『四人』で食卓へ向かった。

 二階に逃亡しようとした駄猫娘はサーニャさんに首根っこ掴まれていつもの席に座らされた。

 シエラが話に加わった事で緊張感が当社比で1/3まで下がった事をお知らせします。



 全員が席に座るとおもむろにパーシャックが立ち上がる。

 そして「話の前に」と区切ってからパーシャックが深々と頭を下げ

「タップスが迷惑をかけてすまなかった。あいつは職務に忠実なだけで本当はいい奴なんだ」

 と言い出した。



「俺こそ強引過ぎた、すまん」

 俺も同じように頭を下げ非をわびる。

 王子のパーシャックと俺とでは頭を下げる行為の価値が何万倍も違うが、相手にわびたいという真剣な想いは変わらないと思う。 



 それにしても不思議な魅力を持った奴だよな……。

 俺の知っている上流階級の人間は、人に頭を下げるなんて行為プライドが許さないはずなのだが、パーシャックはいともたやすくそれをやってのけてしまった。今の俺と大して年齢も変わらない若さでなんという懐の広さだろうか? こいつならいい主君になれそうだしこの国の未来は明るいね。

 



「二人ともいつまでそうしているつもりだ?」

「すいません」 

 顔を上げるとパーシャックと目が合い、お互い笑みがこぼれた。 

 場もいい感じに温まってきたので、話を始めることにした。


 


 三人には、自分だけに聞こえる『天の声のような存在』から、『問題を解決しないままパーシャックをお城へ帰してしまうと命に関わる危機が訪れる』と教えてもらったと伝えた。

 


 そして、それを回避するためには

『パーシャックのために最良の武器を作ること』

『パーシャックと密接なコミュニケーションを取って好感度をあげること』

 この二つを達成しなければならない。




「う~ん。託宣の話とかは王国内でも聞く事はあるけど、おれそういうの信じてないんだよなぁ」

 最後まで真剣に聞いてくれたのはありがたいが、内容が突拍子もなさ過ぎてあんまり信じてられえていないようだ。想定内とは言えこれは困った。どう説得して行けばいいのだろうか。 




「私は信じてやってもいいぞ、今の話」

「え? サーニャさんは信じてくれるんですか?」

 思いがけぬ援軍に情けない声が出てしまったが、その声の主は気にせず真面目な顔でこう続けた。



「何を根拠にあんな無謀な事をしてまでパーシャックを引き止めようとしたのかずっと不思議だったんだよ。今の話が本当なら、お前があそこまでした根拠になりうると私は考えてみた。おかしいか?」

「おかしくないです」

  



「ま、それ以外にも信じてやった理由はあるんだが……それはいいや。今大事なのは解決策を見つけ実行する事だしな」

「そうですね」

 話が前進し始め、前のめりになる俺。

 


 対照的にシエラは寝息をたて食卓に突っ伏している。

 こいつの今晩の夕食は一品少なくする事を今決めたよね。




「最良の武器か……私たちで作ったハルバードはそれに値する出来だと思うがな」

「俺もそう思うんです……」

 いきなり避けては通れぬ難題。

 こっちは『パーシャックの好感度上げ』より取っ掛かりがなさ過ぎる。

 パーシャックが本当に必要なハルバードとは何ぞや? 



 ここで突然、元いた世界で見た有名な風刺画を思い出した。

 『顧客が本当に必要だったもの』という単語で検索すると出てくるもので、顧客と仕事を請け負った側のビジョンが徐々にずれて行き最終的にはまったく違うものが出来上がる。そんな感じだったと思う。

 


 多くのコラ画像がネットには存在し、自分はアニメやゲーム関連でこのコラ画像をよく目にした。

 なんでこんな事をいきなり思い出したかと言うと、顧客であるパーシャックの最初の要望自体が自分たちに正確に伝わっていないか、パーシャック自身が自分の必要とする物を理解していない、はたまた何らかの理由で伝えようとしなかったのでは……そしてそれに気付かなかった職人側の俺たちも自分たちのやりたい事だけをやっただけなのではと思いついたからだ。



 これはありえると思った。

 そもそも、パーシャックの要望自体フワフワしすぎていたように思うし。 

「パーシャックちょっと聞きたいんだが」

「なんだ? なんでも聞いてくれ」

 


「パーシャックの本当に欲しいハルバードって何だ?」

 直球ど真ん中の質問にパーシャックも目をぱちくりとしてから答える。

「何を言い出すかと思ったら、それはすでに伝えただろ?」

 


「かっこよくてつよくてめだつ武器、だよな?」

「覚えてるのに聞くなよ~」

 こうなるよな。

 だったらこれはどうだ?



「パーシャックのいうかっこいいって『誰』のことだ?」

「っつ」

 


 ビンゴ。

 初めて依頼された時は聞き方を間違えて「シュババババ」と擬音でごまかされてしまったが、パーシャックなりにハルバードを選んだ理由がちゃんとあったのだ。それを隠す理由は顔を真っ赤にしてうつむいちゃったいるので聞かせてもらえない。

 


「俺はお前を助けたい一心で命を張ったし、解決するまで張り続けるつもりだ。最良の武器を作る事はお前を助ける事と同義なんだ。だから頼む、絶対にお前の事を助けてみせるから俺に本当の想いを伝えて欲しい!」

 嘘偽りのない本心をぶちまける。あとはこれをパーシャックがどう受け取ってくれるか。



 うつむいた顔をバっとあげたパーシャックと目が合う。

 真っ赤な顔であわわとか、うぐぐとか言っていたが、プイと顔を背けた後

「……グ……う」とボソボソしゃべりだした。

 ただ、その声量じゃ何言ってるか全然わからん。



「すまん、パーシャック。全然聞きとれ――」

「おれがかっこいいと思っているのは、初代グロリア王だぉぉぉ!!」

 一気に言い切ったパーシャックは頬に手を当て恥ずかしそう。もちろん顔もまっかっか。

 まるでゆでダコのようだが、なんでそんなに照れているの? おじさんわからないよ……。



「なるほどな」

「何がなるほどな、なんですか」

 知っているのですかサーニャさん!?

 一瞬三面拳のライ○ンの顔が頭の中に浮かんだが、シリアスな局面なので打ち消して続きを待つ。



「いやな、こいつがハルバードを熱望した理由に合点がいったんだよ」

「どういうことです?」

 皆目見当付かぬ俺は素直に尋ねる。



「この国では元々ハルバードは特別な意味を持つ武器でな、ハルバードを依頼された時もそのせいでまったく気にしなかったんだが、パーシャックが『建国王』に憧れているのだとしたら話が違ってくる」

 建国王とは?

 ? といった表情のままサーニャさんを見つめる。



「この国で店を構えているならどこでもハルバードを守護武器として店内に展示しているくらい密接なかかわりを持つ特別な武器なんだが、なぜだか知っているよな?」

「ごめんなさい。まったくわかりません」



「この国じゃ有名な英雄譚なんだが、若い奴は知らないのかねぇ……」

 ジェネレーションギャップを感じたのか、サーニャさんはちょっとふてくされてしまう。

 しまった! 嘘でも知っていると言うべきだった。



「ふんっ……まぁいいさ。パーシャックのご先祖様である初代グロリア王、いや、『建国王グロリア・ドゥ・シュバルハイム』は四人の勇者たちと一緒に魔王を倒した英雄なんだが、その建国王が長い長い旅路で愛用した武器がハルバードなんだよ。そして子孫であるパーシャックがそれを必要とする理由ったら『憧れ』くらいなもんだろ」

「そう、ですね。でも、だとすると俺たちに依頼をしたのって――」





「くわーー! 人に言われると恥ずかしさが増すな! そうだよ! おれはご先祖様に憧れてハルバードを大遠征に持ち込もうとしてるんだよ! 笑えばいいさ!」

 


 恥ずかしさのあまりこんな大声を出しているのだろうけど、何をそんなに恥ずかしがる必要があるのか。立派な人間に憧れを抱くことなんていたって普通の事なのに。

 ともかく一旦落ち着いてもらわないとな、上で寝ているユイリちゃんが起きてしまう。



「俺達は笑ったりしないから落ち着け」 

「本当か! 本当だろうな!?」

 ある種の興奮状態に入ってしまったパーシャックは、声のボリューム調整がおかしくなってしまったようだ。ここは刺激しないように落ち着かせねば。




「パーシャック、深呼吸しよう。深呼吸。いくぞ?」

 うんうんと首を振ったので本人も興奮している自覚はあったみたいだ。

 これならおとなしくしたがってくれそう。



「スーーーーーハァァーー」 

「スーーーーーハァァーー」

 ちらっとパーシャックの顔を覗くとまだ顔が赤い。

 続行だ。


 

「もう一回、いくぞ? スーーーーーハァァーーーー」  

「スーーーーーハァァーーーーー」



 副交感神経が活性化されたようで落ち着きを取り戻したように見えるパーシャックに、簡単な質問をしてみる。

「落ち着いたか?」

「……ああ、すまなかった」

 よしっ。



「恥ずかしがる必要なんてなかっただろ。パーシャックの言う憧れとはちょっと違うかもしれないけど、苦しい時代を生き抜いた自分の祖父、祖母を俺は尊敬してたし、今もしている。先祖様にそういう感情を抱くのは普通のことだと思うぞ」 

「そうか、そうだよな!」

 成し遂げた功績に大小の差はあれど、尊敬の対象に変わりない。だから細かい事はいいのだ。

 



 落ち着いたパーシャックは訥々と、時には興奮気味に話してくれた。

 それは幼い頃、枕元で侍女が話してくれたこの国の英雄譚。

 その話は幼いパーシャックを勇気付け、励まし続け、物語の主人公である『建国王グロリア・ドゥ・シュバルハイム』の生き様はいつしか彼の指標になっていた。


 

 年を重ねるにつれてその想いは高まっていったが、それと同時にある事にも気付かされてしまった。

 自分はご先祖様のような立派な人間にはなれない、と。

 


 自分が王国内で何不自由のない生活していた年齢で、ご先祖様は仲間と共に魔王を見事打ち破った。

 自分がくだらない事で大いに悩んでいた年齢で、ご先祖様は近隣諸国の難題を全て片付け、国まで興してしまった。

 近隣諸国から助けを求められれば『単身』赴き、それを解決してしまう。

 


 物事の分別が付き『私』は一人では何もできない人間で、建国王のようにはなれない側の人間なのだとそう気付いた時、いつしか建国王に憧れる自分はいなくなっていた。



 幼い頃から持ち続けた指標を失い落ち込んでいたある日、いい報せが届いた。 

 それは人をめったに褒める事のないユークリッドさんからのものだった。

 最初は流して聞いていたのだが、ユークリッドさんが珍しく興奮していたので次第に興味をひかれた。



「ユークリッドが話した内容はこうだ。『俺は今日、この国の、いやこの世界の未来を左右するような青年を見つけてしまった。鍛冶屋で働くその青年がこれを作ったという。この短剣がそうだ、見て見ろ。素晴らしいだろ? お前と大して年齢の変わらない一介の鍛冶屋で働く一職人からこれが生まれたのだ!』」

 ユークリッドさんの誰に対しても偉そうな物言いを真似ながらパーシャックは話を続ける。



「それからあいつの熱気のこもった話が続いた。いやー自我が芽生える前からあいつに世話してもらっているが初めて見たかもしれないな、あいつのあんな姿」

 親しい人にだけ見せる素顔、ユークリッドさんにもそういった側面があるのだと不思議な気持ちになった。最初の印象が最悪なだけにね!



 

「それでさ、ひとしきりお前の事を褒めちぎった後、おれに言ったんだ。一度会って見ないか? って。ユークリッドの真意はわからなかったけど、あれだけ褒めるから、おれもお前に興味がわいてさ、大遠征間近の忙しい時期にコンタクトを取ったんだ。おれの中で何かが変わるんじゃないかって」

「で、実際会って見てどうだった?」


 

「変なやつだった!」

 あらかじめ用意されていたかのような即答にずっこける。

   



「でもまぁ、ユイリやライオット、そこで寝こけている半裸のお姉さんから聞いた話を総合すると職人としての腕前は本物みたいだし会えてよかった。お前に出会えたおれは幸運だ」

「さいでっか」

 同性とはいえ面と向かってここまで言われると恥ずかしい。

 今度は俺の顔が真っ赤になっていないだろうな?



「おれからの話は以上だ。自分で話してて気付いたよ。ご先祖様に抱いていた憧れは、まだ心の奥底に残っている事に。憧れを抱くのすら畏れ多いと縮こまってた情けない自分の気持ちが、それをおおい隠していたみたいだけどそんなのおれらしくない! そう思いなおさせてくれたのはお前だ、アキラ」

「俺は何もしてないぞ? お前を守る武器すら作れていないし」



「どんな事があっても命がけでおれを守ってくれるんだろ? そう言ってくれて本当にうれしかったんだ……だから、おれはお前を信じることにした」

 それっきりパーシャックはクネクネ、モジモジして黙ってしまった。

 自分の気持ちを全部言い切って恥ずかしくなってきたんだろう。俺も同じような経験あるのでわかる。




「アキラ、ちょっとこい」

「はい?」

 手招きされたのでサーニャさんの元へ向かうとおもいっきりゲンコツを喰らわされてしまった。



「アイテっ!」

 目の前がチカチカする。ピヨリモードってやつだ。

「これはユイリを悲しませた罰だ」

「ごめんなさい、でも今ですか??」



「気にすんな! それより、ユイリはすっかりお前に懐いているからな。これからも優しくしてやってくれ」 

「はい、それは間違いなく」


 

「さて、私の怒りも収まったことだし、お前に新たな仕事を命じる」

「新たなってどういうことです? 一緒に武器を作り直すのでは?」



「それは帰ってきてからでいい。それに今は建国王の事を知るほうが必ず武器作りにプラスになる。だから――」

「だから?」





「お前はこれからパーシャックと二人で『デート』してこい!」



 


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