テロリスト編 城島円華視点 前編
「じゃあさー、七女君とかどうなの?」
「七女君?あーー、無難w?」
「わかるーーーww」
「なんかさ、入野君達といつも楽しそうだよねw隣りの席の時、たまに話し声とか聞こえてくるけどね、アハハ、なんかね、ウケるよw」
「入野バカだもんねーーwwそーそー、この前さ
……はーい、わかったーー!
ごめん、円華!お風呂入んなきゃだ!また明日ね!」
「うん!おやすみー」
静玖との電話を終え、時計を見た。
「21:50かぁ、宿題も無いし最近夜更かし多かったから今日は早く寝ようかな」
ベッドにごろりと横になり、静玖との電話の話を思い出した。
『彼氏になるとしたらアリかナシか』
まぁまぁ上から目線で身勝手な話だけど、こんなしょーもない話で盛り上がっちゃうんだよねー。
静玖の彼氏の条件が「私のピンチの時に命をかけて助けてくれる」って、どんな状況wピンポイント過ぎて彼氏一生出来なさそうww
私は無難に「私の事真っ直ぐに見てくれる人」って言ったのに、「そういうマジメなのはナシ」って即答されたのウケるw
思い出して一人で笑った。
「七女君かぁ~。隣りの席で話してるのは聞いた事あるけど、そんなに長く話した事ないかも?顔は…まぁ普通?」
なんで私、七女君の事なんか考えてるんだろ?
ま、いっか!
さて寝よっと!
私は電気を消して目を閉じた。
さっきの静玖との雑談が頭の中でごちゃ混ぜになって浮かんでくる。
えーっと……
明日は学校で……
私がピンチで………
七女君がいて………
ここは教室で……
私何でここにいるんだっけ?
私は教室を見渡した。
クラスのみんなが教室の後ろに集まってしゃがんでいる。
みんな怯えててイヤな雰囲気だった。
教室の机は両端に雑に寄せられて教室の真ん中にスペースが出来ていた。
……夢……よね??
そこの真ん中に迷彩柄の洋服を着た人が倒れていて、その人を見下ろすように七女君と入野君が立っていて、二人で何かの話しをしている。
「そっかー。で、どうする?」
「どうするって?何が?」
「テロリスト。倒さないの?」
「倒す…けども…なんだろ。このモヤモヤした気持ちは。てかリッチー順応早ぇよw」
「仕方ねーだろwwとりあえずテロリスト残り30人。一人15人ずつ手分けして倒しちまおーぜ」
「ちょっと待て。30人ってなんだ?残りは5人だろ?さっき校門から6人入ってきたの見てなかったのかよ?」
ちょっと待って。
何の話ししてんだろ?
テロリストって何?あのテロリスト?
何?何??たくさんいるの?
七女君と入野君が倒すって言ってる?
二人じゃ危なくない?
またテロリスト来るのかな?
来るとしたら……後ろのドアより、普通前のドアから来るよね?
その時、教室の前のドアが勢いよく開いた。
わっ!本当に来た!?
え?なんで?偶然?
「き、貴様ら、俺の仲間に何しやがった!!」
多分テロリスト…かな?手に銃も持ってるし。
え?え?え?
マジ?マジで?
これヤバくない??
私がテンパっていると、七女君が話し始めた。
「はぁ、やれやれ」
そう言って銃を向けられてるテロリストに近づいて行って、一瞬で倒しちゃった…
「なんか色々とタイミング悪ぃーんだよ」
七女君がテロリストを一瞬で倒した。
え?嘘?七女君強っ!そういうキャラ?
また七女君と入野君が話し始めた。
……要約すると、七女君の夢と入野君の夢が混じってるって事よね。
これは今私が見てるそういう変か夢かな?
それとも本当に七女君と入野君のごちゃまぜの夢の中にいるって事なのかな?
「にしてもお前の設定雑だな。もっとこう、ストーリー練れよ」
「はぁ?そもそも俺の龍昇想波流が炸裂すればあとの事は大体テキトーでいいんだよ。それにお前、なんだ?城島って、城島円華の事か?お前城島の事好きなの?うわー聞いちゃったー」
「はっ…はぁ?べ、別にちげーし。そういうのじゃねーし。てかお前こそなんだよその奥義の名前。恥ずっ!うわっ、恥ずぅ~」
なんか二人のやりとり生々しいなぁ。
こっちまで恥ずかしくなってきちゃうね。
さっきの静玖に二人の名前が出てきたから、そんな夢見てるのかな?
二人がちょっと静かになって、また話しだした。
あーまた私の名前でた!
なんか私の事好きとか聞かされると変に意識しちゃうなぁ。
明日学校で大丈夫かな?
静玖にこの話したら笑うだろうなぁ。
「しゃーない。この二人の妄想がごちゃ混ぜになった世界をさっさとクリアするか!」
そもそも私はなんでこんな変な夢見てるんだろ??
見たり聞いたりしてる感覚はリアルなんだよね。
でも私は主役じゃなくて、二人の活躍を見てるだけ……
もしも……万が一……
これが本当に七女君と入野君の妄想の中としたら?
私って何?
偶然そこにいるって事?
動画サイトで「コメントするにはログインが必要」みたいな感じかな?
見たり体を動かしたりは出来るけど……
私の妄想は特に何も混じってないのかな?
突然入野君が窓ガラスを割って外に落ちちゃった!
嘘?大丈夫??なんでそんな事したの?
そんな心配をよそに校舎の下から入野君の元気な声が聞こえた。
本当にみんなの妄想がごちゃまぜになった世界なのかも。
どうやったら元の世界に戻れるんだろ?
七女君達は知ってるのかな?
そんな事を考えてたら七女君が鉄砲を持って私の方に来た。
え?ちょっと、どうしよ?
私の事わかってるよね?
さっき私の事好きって話ししてたけど、私の事空気みたいな感じだったし、気づいてない…よね?
テンパってる私に七女君が話しかけてきた。
「テロリスト達は俺らがなんとかするよ。なぁに心配いらないさ。でもキミに何かあったら俺は死ぬより後悔する。
…あ、いや。なんか違うな。もっとカッコいいセリフにしよう。
俺が戻ってくるまで安全なところで隠れててくれ。万が一の時はこれで身を守ってくれ。それと、戻ってきたらキミに聞いてもらいたい事があるんだ」
あれ?やっぱ私の事見えてないのかな?
完全に独り言だよね?
セリフ言い直したしw
そう言って七女君は私の手を握って、その手の上に鉄砲を置いて握らせた。
え??見えてる???
七女君達の妄想で私も作られたの?
夢の中の人と話してるみたいな、自分で作り出した動く人形に話しかけてるような、そんな感覚なのかな?
それとも逆に私の夢の中で私がみんなを作り出してるのかな?
夢の中でこんなにはっきり夢だって自覚してるの初めてかも。
……でもやっぱり、そもそも私がこんな夢見るのかな?
試しに話しかけてみようかな?
でも何て言おう?
もしも二人みたいに私もここに参加してたとしたら、さっきの話し聞かれてた七女君がハズくない?どうしよ?
でもここから出る方法も教えてもらわなきゃだし…
「あ、あの……七女君、私ね…実は…」
「あぁ、わかってるよ。俺もキミの事が好きだよ」
違う違う、全然わかってないww
わーー、顔近い近いぃぃ
私が思わず目をつぶったら、おでこに七女君の温かい唇の感触が触れた。
静玖と話してたせいかな?
それとも真っ直ぐに目を見て好きって言われたせい?
意識するなって方がムリかも…
突然立ち上がった七女君が廊下を真剣に見てた後、「行ってくる!」と言って笑いながらどこかに行った。
教室に取り残された私…
これからどうしたらいいんだろ?
お読みいただきありがとうございます。
次回は6/6(土)の午前中に
続編の「ゾンビ編」もありますのでどうぞよろしくお願いします。




