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5-7・冷徹な狗塚

 不意打ちでダメージを喰らった天邪鬼は、全身から煙を上げながら、脱力をして膝を落とす!


ガォンガォンガォンガォンガォンッ!!

 なおも響き渡る銃声!容赦のない光弾の雨が降り注ぎ、天邪鬼は苦しそうな咆吼を上げながら地に伏した!


「もういい!やめてくれ!」


 しばらくは呆然としながら状況を傍観していたが、我に返り、倒れた天邪鬼を庇うように立ち、狗塚(妖幻ファイター)を見上げる!


「・・・ん?」


 狗塚(妖幻ファイター)は、首を傾げながらも構えていた銃を下ろし、広げていた翼を収納して、地面に着地をする。


「何故、庇う?」

「コイツはそんなに悪い奴じゃないんだ!」

「どういうことだ?」

「コイツは、人間社会への共存を望んでいる!倒す必要は無いんだ!」

「これほどの被害を出しているのに共存だと?」

「確かに被害は出した!でもそれは、コイツの意思ではない!

 ・・・きっと、何かに操られて!

 でも、多分、コイツを支配している闇を祓えば元に戻る!!」

「きっと?・・・多分?・・・君の言っていることが理解できない。」


 天邪鬼に対して、至近距離からハンドガンを構える狗塚(妖幻ファイター)!それを見た紅葉が、慌てて駆け寄ってきて、狗塚(妖幻ファイター)と天邪鬼の間に立つ!


「やめて!!

 天野のお爺ちゃんゎ、ぉ腹に変な妖気を入れられてパニクってるだけなの!!

 ぉ腹にぁるのを消してぁげれば、ぃっものお爺ちゃんに戻るんだよ!」

「・・・変な妖気?そうか、コイツ、茨城童子の‘鬼の印’を取り込んで?」

「そう言う事だ!!(鬼の印とか言われても解んね~けど)」

「そぅそぅ!だから、大丈夫!!」


 狗塚(妖幻ファイター)は、数秒程度は動きを止めてくれたが、照準は天邪鬼に向けたままで‘聞く素振り’を感じられない。


「君達の言いたいことは解った。

 だが、それでも、コイツが鬼という事実に変わりはない!」

「・・・・・・・・ぇ?」

「・・・なに!?」


ガォンガォンガォンガォンガォンッ!!

 狗塚(妖幻ファイター)は、前に立つ紅葉を軽く押し抜けるようにして、倒れている天邪鬼を狙い打つ!

ガォンガォンガォンガォンガォンッ!!

 無数の光弾を一身に浴び、弱々しい悲鳴を上げながら体を震わせる天邪鬼!


「や、やめろっ!!」


 俺(妖幻ファイター)は、狗塚(妖幻ファイター)の前に立って射撃を妨げた!天邪鬼は、その隙を見て立ち上がり、覚束ない足取りで逃走をする!


「邪魔をするな!!」

「操られてるだけ、ホントは共存を望んでるって解ったんだろう!?

 なのに何故!?」

「鬼の印を祓えば、共存を望んで温和しくなるかもしれないが、

 裏を返せば、再び、鬼の印を取り込めば忘我して暴れるということだろう!」

「そ、それはっ!」

「・・・君が邪魔をするつもりなら!」

「・・・え!?」


ガォンガォンガォンッ!!

 容赦無く発砲をする狗塚(妖幻ファイター)!自分自身が攻撃されることを想定していなかった俺(妖幻ファイター)は、無防備に全弾を喰らって弾き飛ばされ、地面を転がる!


「人間社会への共存など、ただの妄想!

 所詮は鬼!・・・生かす価値は無い!!」


 狗塚(妖幻ファイター)と天邪鬼の間に障害物が無くなった!

 鳥銃・迦楼羅焔の銃身後方を展開させて、『雷』のメダルを装填し、銃口を逃走中の天邪鬼の背に向け、引き金を引く!数発の雷撃弾が発射され、天邪鬼に次々と炸裂!天邪鬼は、いくつもの小爆発を起こしながら脱力をして、その場に両膝を落とす!


「や、やめろぉっ!!」


 気付いた時には、狗塚(妖幻ファイター)をブン殴っていた!だが、狗塚(妖幻ファイター)は数歩後退をして踏み止まり、すかさず、俺(妖幻ファイター)に銃口を向けて、迷うことなく引き金を引く!


「退治屋が妖怪退治の邪魔をするとは、どう言う了見だ!?」


 強烈な電撃を帯びた光弾が着弾!俺は、十数mほど吹っ飛ばされ、ダメージで武装化を維持できなくなり、生身の姿に戻って地面を転がる!

 一方の狗塚(妖幻ファイター)は、動かなくなった天邪鬼を睨み付け、鳥銃・迦楼羅焔の銃身後方を展開させて空白メダルを装填!迦楼羅焔の中央にある嘴が開き、風のエネルギーが凝縮されていく!


「やめて!!」


 紅葉が叫ぶが耳を傾けようとはしない!両手で構え直し、銃口を天邪鬼に向け、引き金に力を込める!


「鬼は皆殺しだ!!」


 ギガショット発動!耳を劈くほどの轟音が鳴り響き、高エネルギーを纏って白く輝いた空白メダルが発射され、容赦なく天邪鬼の腹を貫通した!


「グウォォォォォォォォォン!!!」


 天邪鬼は、断末魔の悲鳴を上げ、全身の力を失って地面に倒れ、黒い炎を上げて爆発四散をする!

 撒き散らされた黒い霧は爆心地に集まり、メダルに吸い込まれて完全に消え、『天』と『鬼』の文字が浮かんだメダルが、アスファルト面に冷たい音を立てて落ちた。


 俺は地に伏したまま、正気を失った天野老人の最後を、呆然と見つめる。

※『妖幻ファイターザムシード』の第12話&第13話を簡素化。

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