4-9・黄色い妖幻ファイター
「・・・え?」 「・・・だれ?」
先程の、インテリ系イケメンが、何度も指で小石を真上に軽く弾いて手のひらで受け取りながら、斜面を降りてくる。
「色々と仕込んでから仕掛ける予定だったがね。
君等が、好き勝手に動いた為に、段取りが滅茶苦茶だ。
だから、君達が派手に動き回って、鬼が俺の存在に気付かなかった分と、
怖い思いをしながら時間稼ぎをしてくれた分で、帳消しにさせてもらう。」
「・・・アンタは?」
インテリ系イケメンが俺達を庇うように立ち、先程まで手で弾いていた小石を足元に落とした。良く見ると、それは小石ではなく、小石サイズの銀塊だ。
「不思議な連中だな。正規の退治屋なんだろ?
結界が張られる前に、ピンポイントで結界の中心を見抜くほど優れた選眼を持っているのに、
銀が魔封じに使いやすいことや、結界相殺を知らないのか?」
「・・・結界相殺?」
インテリ系イケメンが、指で呪印を結んで呪文を唱える。
「なにこれ?一体どぅなってるの?この中にぃると、ザヮザヮしなぃょ!」
「鬼の結界を相殺する結界を張ったのさ!」
紅葉の表情を見て察した。俺には感知できないが、インテリ系イケメンは結界を張ったらしい。
「当初計画では、奴等が動き出す前に1つめの結界の無力化と、
2つめの結界封じを仕掛けるつもりだったんだけどな。
想定外が起こって先に張られてしまった。
だから、結界の種類を確認して、結界相殺の念を込めるのに時間が掛かった。
半径10m・・・狭い範囲だが、この場の空気だけは清浄化されている!
つまり・・・この結界の中ならば!!」
インテリ系イケメンは、左腕の裾をまくり、左手首に巻いた腕時計型のアイテムを正面に翳して、『天』と書かれたメダルを抜き取って、一定のポーズを取りつつ、五芒星を模したバックルに嵌めこんだ!
「・・・・幻装っ!!」
《GARUDA!!》
電子音声が鳴ると同時にベルトが発光して、インテリ系イケメンの全身が黒いアンダースーツに包まれる!続けて、五芒星バックルから幾つもの光が飛び出して、それぞれが、中華鎧と現代プロテクターを折中したようなヘルメット、肩当て、胸当て、手甲、腰当て、脛当てに変化をして装着をされた!最後に腰ベルトに備え付けられたゴーグルタイプのマスクを、手で掴んで顔に装着!
その姿は、俺が装備をする妖幻システムと似ているが、プロテクター全体が黄色くて、背に翼がある!
「アンタ、一体!?」
「妖幻ファイターさ。
君は先程の姿から察するに閻魔大王か?俺は妖怪共からは天狗と呼ばれている。」
黄色い妖幻ファイターは、ベルトのホルダーに収納してあった鳥の顔を模したハンドガン=鳥銃・迦楼羅焔を抜いて、目の前に居た温羅鬼に向ける!
ガォンガォン!
獣の咆吼のような銃声が鳴り響き、嘴型の周囲にあるリング状(ガトリング式)の銃口から光弾が放たれた!直撃を受けた温羅鬼は、数歩後退をして片膝を付く!
「今度は逃がさん!」
「アンタ、コイツ等を追っていたのか!?」
「あぁ!数匹は仕留めたんだが、そいつ等には逃げられてしまってな!
文架の支部長から、鬼が隠れている可能性を聞いて、この地を訪れたんだ!」
「粉木のジイさんから?」
「さすがは粉木さん。予想通りだったって事さ!
君達の所為で、俺の段取りを崩されて迷惑半分!
おかげで、鬼達に警戒をされている俺の存在に気付かれずに接近出来たから感謝半分!
プラスマイナスでチャラって事だ!
温羅鬼の方は任せてもいいか!?俺はあっちの大物(星熊)に専念したいんでね!」
「え!?・・・そ、そうか!結界相殺の中なら、俺も武装化が出来る!!」
温羅鬼を睨み付け、左手のYウォッチから『閻』メダルを抜き取って和船バックルに嵌めこんだ!
「幻装っ!!」 《JAMSHID!!》
妖幻ファイターへの武装化完了!温羅鬼を睨み付ける!
「お言葉に甘えて、アイツ(温羅鬼)は貰う!だいぶ恨みがあるからな!!」
黄色い妖幻ファイターは、少し離れた場所で構えていた星熊童子に銃口を向けながら、間合いを詰める!
ガォンガォンガォンッ!
鳥銃・迦楼羅焔から放たれた光弾が星熊童子目掛けて飛ぶ!星熊童子は素早く回避をしつつ、弓を装備して矢を射た!しかし、黄色い妖幻ファイターの射撃は、矢を的確に撃ち落とし、数発の光弾が星熊童子に命中をする!




