表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/169

紅葉の視点・踏まれたちくわとカビの生えたちくわ

-土曜日-


 ァタシが住んでるマンション・サンハイツ広院(中層マンション)が建ってる広院ひろいん町ゎ、東に10分くらい歩いたところに燕真の住んでる本陣町があって、そっから東にもう10分ぐらい歩いたところにYOUKAIミュージアムがある陽快町があんの。北東にあるアミのおうちより、燕真の方がご近所さんなんだよ。

 北に10分くらい歩くと鎮守の森公園があって、お祭りの時にゎ遊びに行くの。ベランダから見る鎮守の森公園は絶景だよ。でもね、鎮守の森公園には、時々、霊が集まりやすい日があるの。だから、ママがおうちにお札を貼って、公園に来た霊が間違っておうちに来ないようにしているんだってさ。ァタシのお部屋にも何個か貼ってあるよ。前に、剥がしてアイドルグループやイケメン俳優のポスター貼ったら、ダメって怒られちゃったから、今ゎお札とポスターの両方とも貼ってるの。


「年頃の娘がなにやってるの?

 リビングで着替えるんじゃなくて、部屋で着替えてからリビングに出て来なさい。」

「んっ!今度からそーする。」

「先週も同じことを言ったわよ。」

「男子いないんだから、何処で着替えてもいーぢゃん。」


 住んでるのゎ、ァタシとママの2人だけ。パパゎァタシが生まれる前に死んぢゃったんだってさ。パパがウロウロしてればお部屋で着替えるけど、ママしかいないんだから、どこで着替えてもいいんぢゃね?


「んっ!今日もばっちりっ!」


 おうちにいる時ゎメンドイからジャージのまんまだけど、今日ゎ燕真と会うから、デニムのミニスカートとラグランTシャツでバッチリ決めたよ。寝癖を整えて、ツインテールを作って準備完了。


「ぃってきま~すぅ!」

「どこに?亜美ちゃんのところ?」

「チガウよぉ!バイトだよっ!」

「店長さんを殴ってクビになったんでしょ?」

「ソレじゃない。別のバイトっ!」

「いつ、新しいバイトの面接なんてしたの?」

「面接してないけどゴーカクしたのっ!」


 バイト(YOUKAIミュージアムの手伝い)の入り時間にゎ、まだ余裕があるんだけど、燕真のお部屋に行って、ちゃんとユータくんが居るか確認しなきゃなの。燕真ってば、ァタシが居てあげないと何にもできない。昨日ゎユータくんが居なくなったのに放ったらかしにしてたんだよ。ヒドくね?


「こら、紅葉!脱いだ服くらい片付けていきなさい!!」

「ぅん!帰ってきたら片付けるねぇ~!」

「昨日も同じ事言ったわよ。これじゃ、当分は男の子は寄ってこないわね~。」

「もーすぐ寄ってくるモンっ!」


 出掛ける時ゎ忙しいから、着替えた服や脱ぎっぱなしのスリッパゎ、帰ってきてからちゃんとするつもり。でも、いっつもママが怒ったあとで整頓してくれるから、ァタシゎできないの。ァタシだってちゃんとできるんだから、もうチョット、ァタシを信用してくれてもイイのにね。


 燕真のおうちに行ったら、今日ゎユータくんが居たから安心したよ。ユータくんは超イイ子なんだけど、妖怪のヌエに憑かれちゃってるから、不安にさせないようにしなきゃね。


「お姉ちゃん達お仕事に行くけど。燕真のお部屋でイイ子にしててね。」


 ユータ君にバイバイをして粉木ジイちゃんの所に行って、早速、事件解決の作戦会議だよ。でも、燕真のおうちにユータくんが居ることゎジイちゃんにはナイショ。ジイちゃんにゎ「ユータくんゎ見付かってない」ってことにしてあるの。きっと、ジイちゃんにバレたら、ユータくんのお祓いをしちゃうからね。

 

 20××年に、大学生が、子供を助けてトラックに轢かれちゃったんだってさ。ァタシゎまだ小っちゃかった時だから、その事故のこと初めて知ったの。そこを通ると、いっつもイヤな感じがしてたんだよ。どんなふうにイヤな感じかってゆーと、超解りやすく説明するなら、とろろをタピオカミルクティーのストローで吸わなきゃいけない感じね。




-利幕町の交差点-


 会議のあと、ァタシと燕真ゎ、昔の事件を調べる為にレッツゴーしたの。事故があったってワカッタからかな?それとも、ユータくんとお友達になったからかな?今までゎ、ココを通ってもイヤな感じしかしなかったんだけど、今日ゎチョット違った。



 幼稚園児くらいの少年と、父親が、交差点で信号待ちをしてる。

 信号が青になって、幼児が横断歩道に駆け出し、2/3ほど渡ったところで「早く行こう」と父親を手招きした。


 幼児を見落とした大型トラックが交差点を右折して突っ込んでくる。幼い少年の眼には、トラックが近付いてくる光景が映っているが、まさか、そのまま突っ込んでくるとは思っていない。でも、トラックは停まる気が無い。


「危ないっ!!」


 青年が飛び込んできて、幼児を突き飛ばした!


 青年の気転で幼児は助かった。

 でも、青年は俯せに倒れたまま動かない。そして、しばらく開いていた目は、やがて閉じられる。


 命を救ってくれた英雄に必死で呼び掛ける父親。幼児ゎ、しばらくゎ青年を眺めていけど、やがて顔を上げ、英雄の命を奪った大型トラックを睨み付ける。



 見えちゃった。轢かれそうになって助かった子がユータくんだった。きっと、ユータくんの残留思念が見せてくれたの。でも、ユータくんゎココに居ないの。

 燕真ゎなんにも解っていないみたいだから、直ぐに教えてあげたよ。


「大学院生に助けられた子供がユータってガキなのか?」

「ぅん。だから、ユータ君の念が残っちゃってるの。」

「窃盗犯がガキを狙う理由は?」

「まだチョットわかんない。」


 ァタシが知ってるユータくん(霊)はイイ子なんだけど、トラックを睨んでいたユータくんゎ、ヤな感じの窃盗犯とチョット似てた。解り易く例えるなら、カビが生えたちくわみたいな感じね。


 そのあと、粉木ジイちゃんにお願いされて窃盗犯のおうちに行ってみたら、窃盗犯のパパが出てきたんだけど、ユータくんの思念が見せてくれたユータくんのパパと同じ顔してた。でもね、道に落ちてて半分踏まれたちくわみたいな顔してて、なんか怪しかったの。


「十数年前の事故と関係あるんですか?事故のこと教ぇてくれませんか?」


 ァタシが質問したら、ガビが生えたちくわみたいな顔になったよ。半分踏まれたちくわのくせに、カビまで生えちゃったら、もうダメダメだよね。

 ァタシと燕真と踏まれたちくわでゴチャゴチャやってたら、粉木の爺ちゃんが登場しておうちの中に入れてもらえたんだけど、そのあと、超信じられないことが起きたの。

 踏まれたちくわのクセして、土下座したあと、ァタシのことを「スッゲー邪魔」みたいな目で見やがったんだよ。


「お嬢、すまんけど、席外してもらえるか?」

「ん~~~~~~~~~~~~~~・・・」

「直ぐに終わらすから、しばらく車の中で待っとってくれ。」


 ジイちゃんまで、信じらんねー。ァタシだって妖怪バスターズの一員なんだよ。でも、燕真が「あとで教えてくれる」って約束してくれたから、燕真に免じて言うことを聞いてあげることにしたの。ァタシって話わかる子だよね?


 でもね、ァタシがジイちゃんの車で待ってたら、大事件が起きちゃった。

 5分くらいで戻ってきてくれると思ってたのに、ちくわのおうちに入ったまま、ちっとも出てこない。ヒマすぎて車の中から外を見たら、こっちに向かって歩いてる窃盗犯を発見。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あっ!ァィツ!」


 ァタシが犯人やっつけて問い詰めれば、燕真達が犯人のパパからお話し聞かなくても良くなるぢゃん。だから、犯人捕まえるために、車から出て追いかけたの。ジイちゃんからゎ「車で待ってろ」って命令されたけど、ココで犯人を見逃したら人としてダメだよね。


「オマエ、昨日の犯人でしょっっ!」

「昨日、博物館にいた奴!!車って事は、他のヤツらも居るのか!?」


 犯人の奴、驚いて逃げちゃった。もちろん追いかけたよ。でも、住宅地の狭い路地に入って、広い空き地に抜けたら見失っちゃった。そんで、探してたら、後から体当たりされて、捕まっちゃった。ナイフ見せびらかして脅すなんて、悪役のお約束だよ。ヤベーぢゃん。超最悪。


「暴れたり、大声を出したら、どうなるか解ってんだろうな!?オマエ、博物館の女だよな!?

 オマエには聞きたい事があったんだ!!オマエ、あのガキが見えていたのか!?」

「・・・・・・・・・・・んぅぅぅっ」


 ァタシばっかり仲間外れにした踏まれたちくわ(窃盗犯の父親)の所為だよ。踏まれたちくわ(窃盗犯の父親)とカビの生えたちくわ(窃盗犯)のせいで、ちゃんとしたちくわ(食品)も嫌いになりそう。燕真も仲間外れにしてくれれば、こんなヤツ、燕真がやっつけてくれたのにさ。踏まれたちくわ(窃盗犯の父親)、使えなさすぎっ!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ