令嬢レベル3-68
入場はアレン様がいらっしゃるので、当然お兄様の後で最後の入場となった。
「アレン・リオスティール殿下並びにカレディ・ディティリス嬢のご入場です」
未成年だけの参加なのでパーティは昼間から始まった。
ディティリス家でのパーティなのだから当然私のことは皆知っていたようだけれどさすがアレン様。
大人とは違う露骨なざわめき。そして聞こえる「王子様…」という単語。
エスコートを受けて、広間の中央に行くと楽団が音楽を奏で始めた。それに合わせてアレン様と共にくるくると踊り出す。
「珍しいね。未成年の場でダンスまであるのは」
「王都と違って踊れるパーティの数は少ないから、本家がやってあげないといけないそうですわ」
パーティのファーストダンスは身分の高いものと主催が踊る。王家で主催する催し物の場合陛下と妃殿下が踊られるか、私とアレン様が踊るかだ。なので当然の如く妃教育にダンスがあるため問題なく踊れる。
もちろん教養レベルの中に入っているダンスレベルも取得済みだ。
「なるほど。じゃあなおのこと来てよかった。ジャンに出番を取られるところだったね」
「良いじゃありませんの。お兄様とはどの道この後踊りますわ」
未成年向けと言うことで曲は短めに終わり最後に礼をし合うーーーこれで終わりのはずだったが。
「そうか、じゃあ踊れなくさせてやろうか?」
そう言ったアレン様はニヤッと笑って私の手を掴んで、なんと二周目に入った。
「……アレン様?」
「カレディは私が他の令嬢と踊ってもいいのかい?」
「むしろ踊って差しあげたら?王子様とダンスなんて良い記念ですもの」
「…ちゃんとしたパーティでは踊るよ」
「あら、ディティリスのパーティはちゃんとしてないって言いますの?」
ニコニコくるくると笑顔で踊り続ける中、察した。アレン様は私とジャンお兄様の邪魔をしたいんじゃない。
周りにいる子供ゆえ隠せないギラギラした目の少女達と踊りたくないんだ、と。
だから二周目は見逃して差し上げたけれどさすがに三周目になると……少しむっとしたので踊りながら足を踏んだ。
「……カレディ?」
「私は交流もしないといけませんのよ。そろそろいい加減にしてくださいまし」
実家で行うはじめてのパーティだ。ここに来てくださった方々と親睦も深めねばならないというのに……それでも踊りたがるアレン様の足をもう一度踏んづけて踊りは三曲でお終いにさせた。




