第74話 逃げ場のない現実
―王都・中央通り―
静まり返る。
誰も近づかない。
地面には。
崩れた二人の貴族。
そして。
残された数人。
―貴族A―
「……ひっ……」
後ずさる。
完全に理解している。
“触れてはいけないもの”だと。
―現実逃避―
「……ま、待て……!」
「話せば分かる……!」
震える声。
だが。
意味はない。
―ゼル―
「……分かっている」
淡々と答える。
「だから処理する」
―絶望―
「……やめろ……!」
「俺たちは貴族だぞ……!」
最後の盾。
身分。
だが。
―否定―
「……関係ない」
一言で終わる。
―逃走―
一人が走る。
背を向けて。
必死に。
だが。
―停止―
「……止まれ」
その一言。
足が止まる。
完全に。
意思とは無関係に。
―崩壊③―
「……な、なんで……!」
振り返る。
涙と恐怖。
そのまま。
膝をつく。
―命令―
「……頭を下げろ」
ゼルが言う。
それだけ。
―強制―
地面に頭をつける。
何度も。
何度も。
止まらない。
―残り―
最後の一人。
完全に固まっている。
動けない。
思考も止まっている。
―ゼル―
「……お前はどうする」
問いかける。
淡々と。
―貴族D―
「……た、助けてくれ……」
その場に崩れ落ちる。
涙を流しながら。
「……知らなかったんだ……」
「何も……!」
―沈黙―
「……」
ゼルは見ている。
何も言わない。
―結論―
「……選んだのはお前だ」
静かに。
それだけ告げる。
―最終処理―
「……従え」
一言。
それで終わる。
―結果―
全員が地に伏す。
動かない。
ただ。
命令に従うだけの存在。
―締め―
逃げ場はない。
理由も意味も関係ない。
選んだ瞬間。
結果は決まっている。




