表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
裏切られた俺だけが覚醒した 《契約支配(ドミネーション・コントラクト)》 ――奪われたすべてを、奪い返す 〜今さら謝ってももう遅い〜  作者: 竜太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
442/444

第442話「永遠の贖罪」

 さらに長い歳月が流れた。


 王国の名は歴史書の中だけに残り、王族を知る者も、ゼルの顔を語れる者も、世界から姿を消していた。


 だが、一つだけ消えなかったものがある。


 贖罪塔。


 風雨に耐え、補修を繰り返しながら、黒い塔は静かに立ち続けていた。


 塔の周囲には子どもたちが植えた木々が大きく育り、小鳥が枝でさえずり、人々は穏やかな日常を送っている。


 誰も塔へ近づこうとはしない。


 近づく理由がないからだ。


 過去は記録として残され、未来を生きる人々は、その記録を学ぶだけで十分だった。


 しかし塔の内部だけは違う。


 時間は止まっていた。


 ガルド。


 リシェル。


 エリナ。


 カイン。


 ヴァルディス。


 五人は今もなお、自らが与えた苦痛を終わることなく受け続けている。


 助けを求める声。


 許しを乞う声。


 怒りに満ちた叫び。


 そのどれもが厚い石壁へ跳ね返り、再び自らへ戻っていく。


 終わりはない。


 死による救済もない。


 それが、この塔に刻まれた唯一の判決だった。


 夕暮れ。


 黒い塔へ西日が差し込む。


 王もいない。


 王国もない。


 それでも、人々が穏やかに暮らせる世界が続いている。


 その静かな日常を遠くから見守るように、贖罪塔だけは今日も変わらず立ち続け、五人の泣き声を永遠という時間の中へ閉じ込め続けていた。


(次話へ)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ