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裏切られた俺だけが覚醒した 《契約支配(ドミネーション・コントラクト)》 ――奪われたすべてを、奪い返す 〜今さら謝ってももう遅い〜  作者: 竜太郎


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352/444

第352話「七日目の色彩」

リリアは朝の光の中で、机の上に広げた大きな王都全図を見つめていた。

南区と記された区画には、昨日まで「青」の印が点々と並んでいた。兵士の数が減少している場所を示す、彼女だけの記録だ。

しかし、今朝届いた各詰所からの定時報告には、具体的な数字が一切記載されていなかった。

正確には、報告書という紙自体が、どこからも届かなかったのだ。


リリアは静かに筆を執り、黒い墨をたっぷりと含ませた。

そして、地図上の南区の境界線に沿って、迷いのない手つきで筆を動かしていく。

青い印の上から、太い黒の線が引かれていく。それは「完全な機能の停止」を意味する色彩だった。


彼女の事前の計算通りだった。

ちょうど七日。

南区は、王城の命令も、兵の気配も、何一つとして届かない空白の地へと変わった。

リリアは筆を置き、墨が乾くのをじっと待った。


誰かが物理的に占領したわけではない。

世界が勝手に動き、勝手に色を変えていく。

彼女が見つめる地図の半分は、すでに以前とは全く異なる不気味な黒に染まっていた。

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