表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
裏切られた俺だけが覚醒した 《契約支配(ドミネーション・コントラクト)》 ――奪われたすべてを、奪い返す 〜今さら謝ってももう遅い〜  作者: 竜太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
338/444

第338話「上書きされた名前」

 王城の文書保管室には、壁一面に棚がある。


 書記官のオーリアスは今日も朝から棚の前にいた。

 仕事は、古い文書の整理だ。


 十年前の予算書。

 二十年前の条約書。

 三十年前の勅令。


 問題は、その中に「ガルド・レイヴァン」という名が何度も出てくることだった。


 殊勲を記録した文書。

 褒賞を記録した文書。

 叙勲の文書。


 オーリアスは上司に確認した。


「……これらは、どう処理しますか」


 上司は少し考えてから答えた。


「名前の部分だけ、削れ」


「削るとは」


「記録から消す。命令だ」


 帰ってきて、棚の前に立った。

 手には、墨消しの道具がある。


 何枚も書き直してきた。

 名前だけ消して、功績の部分はそのまま残す。

 誰がやったのか分からない記録が、棚に増えていく。


 功績だけが残り、人間が消える。


 おかしい、と思う。


 でも、おかしいと言える立場ではない。


 オーリアスは墨消しを手に取った。

 次の帳面を開いた。


 そこにも、その名前があった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ