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裏切られた俺だけが覚醒した 《契約支配(ドミネーション・コントラクト)》 ――奪われたすべてを、奪い返す 〜今さら謝ってももう遅い〜  作者: 竜太郎


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第335話「ゼルの夜」

 夜になってもゼルは広場にいた。


 椅子がある。


 毛布がある。


 リリアが用意した。


 ゼルは断らなかった。


 必要なものは受け取る。


 それだけのことだ。


 夜の広場は静かだ。


 露店は閉まっている。


 人通りは少ない。


 遠くで犬が鳴く。


 百二十二日目が終わろうとしている。


 ゼルは目を閉じない。


 暗闇の中で、王城を見ている。


 灯りが減った。


 以前より確実に。


 数えている。


 窓の灯り一つひとつを。


 消えた灯りは戻らない。


 それでいい。


 戻る必要はない。


 風が吹く。


 ゼルは動かない。


 ただそこにいる。


 それが今の仕事だ。


 夜が深くなる。


 灯りがまた一つ、消えた。

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