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第334話「王城の食卓」
王城の食堂。
以前は満席だった。
今は半分以下だ。
席が余っている。
それを誰も気にしない振りをしている。
一人の若い文官が食事をしている。
隣に誰もいない。
以前は同期が三人いた。
一人は退役した。
一人は地方転属になった。
もう一人は先月から姿を見ていない。
聞いていない。
聞けなかった。
食事を終える。
立ち上がる。
食堂を出る前に一度だけ振り返る。
がらんとした席。
揺れる灯り。
給仕の女性が一人、黙って片付けをしている。
目が合う。
何も言わない。
どちらも。
ただ、お互いがここにいることを確認した。
それだけだった。




