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第333話「リリアが数えるもの」
リリアは数を数えている。
退役した近衛の数ではない。
残っている者の数だ。
残っている者の顔を、一人ずつ覚えている。
なぜそうするのか、自分でも分からない。
ただ、必要な気がした。
百二十一日目。
城門の警備、東西合わせて十七人。
以前の半分以下だ。
記録する。
ゼルに報告する。
ゼルは頷く。
「……予定通りだ」
「はい」
「西門は」
「あと十日で限界かと」
「五日だ」
リリアは少し考える。
「……そうかもしれません」
ゼルは空を見る。
リリアも見る。
雲が流れている。
「……残った者たちは」
ゼルが珍しく続ける。
「……罪はない」
短い言葉だった。
リリアは何も言わない。
ただ頷いた。
それで十分だった。




