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裏切られた俺だけが覚醒した 《契約支配(ドミネーション・コントラクト)》 ――奪われたすべてを、奪い返す 〜今さら謝ってももう遅い〜  作者: 竜太郎


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327/444

第327話「退役した男の朝」

 元近衛兵の男が、路地裏の安宿で目を覚ます。


 十日前に退役した。


 後悔はしていない。


 していないはずだ。


 だが朝になると、習慣で体が起きる。


 朝礼の時間に。


 誰も呼んでいない。


 起き上がって、窓を開ける。


 王城が見える。


 毎日見ていた場所だ。


 旗が揺れている。


 旗はある。


 変わらない。


 だが中身は変わった。


 自分が出てきたのだから、確かなことだ。


 男は窓を閉める。


 今日から何をするか、まだ決めていない。


 王都を出るか。


 残るか。


 広場の方角を、一度だけ見る。


 ゼルはそこにいる。


 男はしばらく立っていた。


 それから、ゆっくりと服を着始めた。

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