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裏切られた俺だけが覚醒した 《契約支配(ドミネーション・コントラクト)》 ――奪われたすべてを、奪い返す 〜今さら謝ってももう遅い〜  作者: 竜太郎


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第316話「静かな加速」

 夜。


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 王都東区。


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 小さな集会所。


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 十人ほどが集まっていた。


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 商人。


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 職人。


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 元兵士が一人。


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 声を潜めて話す。


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「……王都はもう当てにならん」


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 誰かが言う。


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 反論は出ない。


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「……ならどうする」


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「……自分たちで動くしかない」


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 短い言葉。


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 重かった。


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 誰かが頷く。


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 また誰かが頷く。


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 決議でも。


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 宣言でもない。


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 ただ。


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 同じ方向を向いた。


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 それだけだった。


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 一方。


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 広場のゼルは目を開ける。


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 何かを感じたように。


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 ほんの少し。


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 口元が動く。


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「……動いてきた」


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 小さく。


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 静かに。


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 言った。

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