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第315話「均衡の重さ」
夕方。
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王城内。
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ヴァルディスの執務室。
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報告書が積まれている。
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退役。
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価格。
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地方。
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補給。
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どれも同じ方向を指していた。
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ヴァルディスは読まない。
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窓の外を見ている。
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広場。
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ゼルはいる。
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今日も動かない。
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「……なぜ急がない」
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独り言。
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返事はない。
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「……俺なら急ぐ」
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短い沈黙。
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「……だから違うのか」
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ゼルは椅子に座っている。
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目を閉じているように見える。
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何もしていない。
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それなのに。
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数字は動き続ける。
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ヴァルディスは報告書を一枚取る。
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開く。
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読む。
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閉じる。
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「……面白い男だ」
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静かに言った。




