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裏切られた俺だけが覚醒した 《契約支配(ドミネーション・コントラクト)》 ――奪われたすべてを、奪い返す 〜今さら謝ってももう遅い〜  作者: 竜太郎


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315/444

第315話「均衡の重さ」

 夕方。


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 王城内。


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 ヴァルディスの執務室。


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 報告書が積まれている。


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 退役。


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 価格。


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 地方。


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 補給。


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 どれも同じ方向を指していた。


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 ヴァルディスは読まない。


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 窓の外を見ている。


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 広場。


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 ゼルはいる。


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 今日も動かない。


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「……なぜ急がない」


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 独り言。


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 返事はない。


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「……俺なら急ぐ」


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 短い沈黙。


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「……だから違うのか」


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 ゼルは椅子に座っている。


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 目を閉じているように見える。


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 何もしていない。


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 それなのに。


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 数字は動き続ける。


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 ヴァルディスは報告書を一枚取る。


---


 開く。


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 読む。


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 閉じる。


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「……面白い男だ」


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 静かに言った。

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