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裏切られた俺だけが覚醒した 《契約支配(ドミネーション・コントラクト)》 ――奪われたすべてを、奪い返す 〜今さら謝ってももう遅い〜  作者: 竜太郎


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314/444

第314話「広場の値段」

 昼。


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 王都広場。


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 露店が並ぶ。


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 人が歩く。


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 笑い声がある。


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 その隅で。


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 一人の商人が。


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 値札を書き直している。


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 また上がった。


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 三度目。


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 今月だけで。


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「……すみません、これ」


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 客が指差す。


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「……先週より高いですよね」


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「……そうですね」


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 商人は頷く。


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「……仕入れが」


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 言いかけて。


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 止まる。


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 理由は複数ある。


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 どれを言えばいいか。


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 分からなかった。


---


「……そうですか」


---


 客は品を戻す。


---


 立ち去る。


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 商人はもう一枚。


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 値札を書く。


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 手が少し重かった。

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