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裏切られた俺だけが覚醒した 《契約支配(ドミネーション・コントラクト)》 ――奪われたすべてを、奪い返す 〜今さら謝ってももう遅い〜  作者: 竜太郎


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308/444

第308話「王国の体温」

 夜。


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 王城内部。


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 会議室。


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 報告が続く。


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「……退役願い」


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「……九十五件です」


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 静かな声。


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 誰も驚かない。


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 数字は増える。


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 いつものことだった。


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 だが。


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 次の報告で空気が変わる。


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「……北部補給」


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「……十四日遅延」


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 さらに。


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「……南部支援要請」


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「……未処理継続」


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 沈黙。


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 誰も顔を上げない。


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 王国は広い。


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 そして。


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 繋がっている。


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 どこかが止まれば。


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 全体へ広がる。


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 一方。


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 最上階。


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 ヴァルディスは窓辺に立つ。


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 広場。


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 ゼル。


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 変わらない。


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「……国は人だ」


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 小さな声。


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「……人が減れば」


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「……体温も下がる」


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 短い沈黙。


---


「……今の王国は」


---


「……少し冷え始めている」


---


 近くの騎士は。


---


 何も言えなかった。


---


 その言葉が。


---


 あまりにも正確だったからだ。


---


(次話へ)

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