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裏切られた俺だけが覚醒した 《契約支配(ドミネーション・コントラクト)》 ――奪われたすべてを、奪い返す 〜今さら謝ってももう遅い〜  作者: 竜太郎


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307/444

第307話「王都を見に来た者」

 夕方。


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 王城前広場。


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 一人の男が立っていた。


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 地方領から来た使者。


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 噂を聞いた。


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 だから来た。


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 そして。


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 見た。


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 ゼル。


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 まだいる。


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 動かない。


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 変わらない。


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 周囲では。


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 露店が営業している。


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 子供が走る。


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 商人が叫ぶ。


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 笑い声も聞こえる。


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 男は混乱した。


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 噂は恐ろしい。


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 だが。


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 広場は普通だった。


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 異常と日常。


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 二つが同時に存在している。


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 それが。


---


 王都だった。


---


「……本当に」


---


「……妙な街だ」


---


 小さな呟きは。


---


 風の中へ消えた。


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(次話へ)

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