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第296話「数字の向こう側」
夜。
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王城内部。
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会議室。
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報告が続く。
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「……退役願い」
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「……六十九件です」
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静かな声。
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数字は増える。
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誰も驚かない。
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だが。
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次の報告で空気が変わった。
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「……北門警備隊」
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「……夜間巡回縮小」
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短い沈黙。
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実害だった。
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数字ではない。
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現実だった。
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王都防衛が。
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目に見えて削られている。
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一方。
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最上階。
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ヴァルディスは窓辺に立つ。
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広場。
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ゼル。
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変わらない。
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「……人は数字を恐れない」
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小さな声。
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「……だが」
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「……結果は恐れる」
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短い沈黙。
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「……今はその段階だ」
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近くの騎士は。
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何も言えなかった。
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退役者六十九名。
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それは数字だった。
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だが。
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夜間巡回縮小は。
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誰の目にも見える現実だった。
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