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第293話「届かない増援」
朝。
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王都北門。
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警備隊詰所。
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報告書が置かれていた。
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増援要請。
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数日前に提出されたもの。
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まだ返答はない。
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却下ではない。
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承認でもない。
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止まっている。
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それだけだった。
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一人の隊員が。
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書類を見る。
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そして。
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ため息を吐く。
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「……まだか」
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小さな声。
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返事はない。
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皆。
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分かっていた。
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王城が回っていない。
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だから。
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返事も来ない。
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北門は今日も開く。
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人が足りないまま。
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それでも。
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開けなければならなかった。
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