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第289話「埋まらない穴」
朝。
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王都北門。
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警備隊詰所。
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静かだった。
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人が少ない。
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以前なら。
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交代要員がいた。
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予備人員もいた。
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今はいない。
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定員割れ。
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昨日の報告。
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そして。
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今日の現実。
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一人の隊員が。
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空いた席を見る。
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誰も座らない。
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座れない。
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人がいないからだ。
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「……補充は」
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小さな声。
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「……未定だ」
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返事が返る。
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短い沈黙。
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皆。
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理解していた。
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埋まらない。
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今は。
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まだ。
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小さな穴。
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だが。
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穴は穴だった。
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