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裏切られた俺だけが覚醒した 《契約支配(ドミネーション・コントラクト)》 ――奪われたすべてを、奪い返す 〜今さら謝ってももう遅い〜  作者: 竜太郎


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288/444

第288話「初めての欠員」

 夜。


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 王城内部。


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 会議室。


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 報告が続く。


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「……退役願い」


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「……五十二件です」


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 静かな声。


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 数字は増える。


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 誰も驚かない。


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 その時だった。


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「……北門警備隊」


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「……定員割れ」


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 短い報告。


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 会議室が静まる。


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 誰も言葉を出さない。


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 ついに来た。


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 数字ではない。


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 実際の欠員。


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 実際の穴。


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 王都防衛の一角が。


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 埋まらなくなった。


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 一方。


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 最上階。


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 ヴァルディスは窓辺に立つ。


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 広場。


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 ゼル。


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 変わらない。


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「……数字は前兆だ」


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 小さな声。


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「……本番は」


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「……穴が見えてから始まる」


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 短い沈黙。


---


「……そして人は」


---


「……穴を見ると恐れる」


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 近くの騎士は。


---


 無意識に拳を握った。


---


 王国の崩壊は。


---


 ついに目に見える形になり始めていた。


---


(次話へ)

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