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裏切られた俺だけが覚醒した 《契約支配(ドミネーション・コントラクト)》 ――奪われたすべてを、奪い返す 〜今さら謝ってももう遅い〜  作者: 竜太郎


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285/444

第285話「空いた宿舎」

 朝。


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 近衛宿舎。


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 静かだった。


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 以前なら。


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 朝の支度。


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 雑談。


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 足音。


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 様々な音があった。


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 今は違う。


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 部屋が空いている。


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 扉が閉じたまま。


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 荷物もない。


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 退役した者たちの部屋だった。


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 一人の若い騎士が。


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 廊下を歩く。


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 空室。


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 空室。


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 また空室。


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 思わず足が止まった。


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「……増えたな」


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 小さな呟き。


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 返事はない。


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 誰もいないからだ。


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 宿舎は。


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 数字ではなく。


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 景色で変わり始めていた。


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(次話へ)

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