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第284話「見え始めた亀裂」
夜。
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王城内部。
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会議室。
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報告が続く。
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「……退役願い」
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「……四十五件です」
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静かな声。
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数字は増える。
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誰も驚かない。
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別の報告。
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「……地方領より支援要請」
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「……処理未完了」
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さらに。
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「……王都警備隊より人員不足報告」
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会議室が静まる。
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近衛だけではない。
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王城だけでもない。
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影響が広がっている。
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数字の先に。
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現実の亀裂が現れ始めていた。
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一方。
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最上階。
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ヴァルディスは窓辺に立つ。
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広場。
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ゼル。
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変わらない。
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「……亀裂は面白い」
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小さな声。
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「……最初は誰も見ない」
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短い沈黙。
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「……見えた時には」
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「……もう広がっている」
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近くの騎士は。
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何も言えなかった。
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王国の亀裂は。
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確かに見え始めていた。
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