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裏切られた俺だけが覚醒した 《契約支配(ドミネーション・コントラクト)》 ――奪われたすべてを、奪い返す 〜今さら謝ってももう遅い〜  作者: 竜太郎


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第283話「慣れた王都」

 夕方。


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 王城前広場。


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 人が行き交う。


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 露店が並ぶ。


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 子供が走る。


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 商人が叫ぶ。


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 いつもの光景。


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 そして。


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 ゼル。


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 まだいる。


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 動かない。


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 変わらない。


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 旅人が立ち止まる。


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 王都の外から来た男だった。


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 驚いた顔。


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 だが。


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 周囲は誰も驚かない。


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 それが逆に異様だった。


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「……誰も気にしないのか」


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 男が聞く。


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「気にはするさ」


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 露店の店主が答える。


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「でも」


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「もう慣れた」


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 短い返事。


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 旅人は。


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 何も言えなかった。


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 慣れるということが。


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 時に恐ろしいと知った。


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(次話へ)

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