表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

204/228

第204話「広場にある日常」

 朝。


---


 王城前広場。


---


 ゼルはまだ立っていた。


---


 動かない。


---


 王城を見る。


---


 ただ。


 それだけ。


---


 なのに。


 広場の空気は以前と変わっていた。


---


 人々がいる。


---


 遠巻きに。


---


 見ている者。


 通り過ぎる者。


 立ち止まる者。


---


 完全に異常。


---


 なのに。


 少しずつ。


---


 “日常”へ混ざり始めていた。


---


「……パンだよ」


---


 近くの露店。


---


 男が声を上げる。


---


 以前なら。


 王城前で商売など考えられなかった。


---


 だが。


 人が集まる。


---


 見に来る。


---


 だから。


 商売になる。


---


「……本当に売るのか?」


---


 別の男が苦笑する。


---


「……腹は減るだろ」


---


 短い返答。


---


 笑いは小さい。


---


 だが。


 確かにあった。


---


 怖い。


---


 なのに。


 生活は止まらない。


---


 一方。


---


 近衛騎士たちは。


 その変化に戸惑っていた。


---


 広場。


---


 市民がいる。


---


 子供の姿すらある。


---


 そして。


 ゼルは動かない。


---


「……なんなんだ」


---


 若い騎士が呟く。


---


「……なんで」


「……日常になってる……」


---


 団長は答えない。


---


 ただ。


 広場を見る。


---


 確かに。


---


 異常なのに。


 少しずつ馴染み始めている。


---


 その事実が。


 逆に恐ろしかった。


---


 一方。


---


 ゼルは動かない。


---


 露店にも。


 市民にも。


---


 興味を示さない。


---


 ただ。


---


 王城。


---


 その一点だけを見続けていた。


---


 まるで。


---


 長い時間を使ってでも。


---


 そこが動く瞬間を待つかのように。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ