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第203話「王都の小さな変化」
昼。
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市場。
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以前なら。
貴族の馬車が来れば。
人々は深く頭を下げた。
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今は違う。
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避ける。
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ただ。
それだけ。
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頭を下げない。
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目を逸らさない。
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小さい。
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だが。
確かな変化だった。
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一方。
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貴族側も気づいていた。
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「……最近」
「……目が違う……」
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若い貴族が呟く。
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以前の恐怖がない。
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あるのは。
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距離。
疑念。
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そして。
少しの軽蔑。
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その空気が。
貴族街を静かに冷やしていた。
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外では。
子供たちが普通に走っている。
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笑い声。
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日常。
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なのに。
その背後で。
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王都の均衡だけが。
少しずつ。
音もなく崩れていた。




