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第126話 消えていく順番
―王都・上層区・貴族会館―
(貴族視点)
「……まただ」
誰かが呟く。
声は小さい。
だが。
全員が聞いている。
―沈黙―
誰も反応しない。
できない。
―事実―
一人。
また一人。
“消えている”。
―貴族A―
「……どこからだ」
低く聞く。
―貴族B―
「……中層区の小貴族からだ」
「……順に……」
言葉が止まる。
―意味―
ランダムではない。
順番がある。
―貴族C―
「……順番……?」
顔色が変わる。
―貴族B―
「……関わりの浅い順だ」
はっきりと言う。
―理解―
軽く関わった者。
外側にいた者。
そこから。
消えている。
―空気の変化―
ざわつく。
静かに。
だが。
確実に。
―貴族A(心中)―
(……なら……)
次は。
自分かもしれない。
―恐怖の拡張―
全員が思う。
口に出さないだけで。
―別視点:屋敷内―
(別の小貴族)
「……嘘だ……」
部屋の中。
一人。
震えている。
―小貴族―
「……順番って……なんだよ……」
笑おうとする。
崩れる。
―理解―
ランダムじゃない。
運じゃない。
“選ばれている”。
―気配―
静かに。
背後に。
―小貴族―
「……やめろ……」
振り向けない。
分かっているから。
―締め―
消えていく。
順番に。
確実に。
逃げ場はない。
その時点で。
すでに。
全員が“対象”だった。




