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第121話 終わりの実行

―王都・上層区・エリナの部屋―


 静寂。


 すべてが止まっている。


 だが。


 終わりは決まっている。


―エリナ―


「……終わらせる」


 もう一度。


 同じ言葉。


 だが。


 今度は揺れない。


―ゼル―


「……」


 動かない。


 見ている。


 それだけ。


―距離―


 一歩。


 また一歩。


 エリナが近づく。


 逃げない。


 止まらない。


―意味―


 受けるのではない。


 選んだ結果として。


 進む。


―エリナ―


「……ここで……」


 小さく言う。


 視線を逸らさない。


―記憶の最終確認―


 地下。


 暗闇。


 視線。


 沈黙。


 そして。


 “自分”。


―エリナ―


「……全部……」


「……分かってる……」


 静かに言う。


 もう。


 逃げない。


―ゼル―


「……ああ」


 短く返す。


 それだけ。


―最終距離―


 目の前。


 手を伸ばせば届く。


―時間―


 一瞬。


 だが。


 長い。


―エリナ―


 目を閉じない。


 最後まで。


 見る。


―ゼル―


 手を動かす。


 無駄はない。


 迷いもない。


―終わり―


 一撃。


 音は小さい。


 だが。


 確実に。


―結果―


 エリナの体が揺れる。


 力が抜ける。


 ゆっくりと。


 崩れる。


―エリナ―


「……」


 声は出ない。


 だが。


 表情は。


 静かだった。


―完全終了―


 動かない。


 呼吸も。


 止まる。


―静寂―


 何もない。


 風もない。


 音もない。


―ゼル―


「……終わった」


 小さく言う。


 それだけ。


―締め―


 選ばれた終わり。


 逃げではない。


 強制でもない。


 その結果だけが。


 静かに残っていた。



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