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第114話 それでも残るもの

―王都・上層区・エリナの部屋―


 静寂。



 言葉は尽きた。



 逃げ道もない。



―エリナ―


「……っ……」



 崩れ落ちる。



 手で床を掴む。



 支えがない。



―状態―


 言い訳は消えた。



 否定も崩れた。



 残ったのは。



 事実だけ。



―記憶―


 地下。



 暗闇。



 視線。



 沈黙。



 そして。



 “自分”。



―エリナ―


「……私……は……」



 言葉が出る。



 もう止まらない。



―確定―


「……選んだ……」



 はっきりと。



 初めて。



 完全に。



―沈黙―


 重い。



 だが。



 逃げではない。



―ゼル―


「……」



 何も言わない。



 評価もしない。



 否定もしない。



―エリナ―


「……怖かった……」



「……でも……」



 続ける。



 自分で。



 止めずに。



―選択の受容―


「……それでも……」



 息を吸う。



 震えながら。



―決断―


「……何もしなかった……」



 言い切る。



―完全確定―


 これで終わり。



 言い訳はない。



 逃げもない。



―涙―


 流れる。



 だが。



 さっきとは違う。



 “理解した上での涙”。



―ゼル―


「……そうか」



 短く返す。



 それだけ。



―空気の変化―


 ほんのわずか。



 だが。



 変わる。



―本質―


 許しではない。



 救いでもない。



 だが。



 “事実として成立した”。



―エリナ―


「……」



 顔を上げる。



 震えている。



 だが。



 逃げない。



―締め―


 すべては失った。



 言い訳も。



 逃げ道も。



 過去も。



 だが。



 最後に残ったのは。



 “自分で選んだという事実”だった。




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