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第111話 許されない選択

―王都・上層区・エリナの部屋―


 静寂。



 涙の音だけが残る。



―エリナ―


「……止めなかった……」



 同じ言葉。



 繰り返す。



 それしか。



 言えない。



―未完の言葉―


 本当は分かっている。



 それだけでは足りない。



 もっとある。



 言うべきことが。



 だが。



 言えない。



―本能―


 言えば。



 “終わる”。



 今の自分が。



―ゼル―


「……」



 見ている。



 変わらない。



 あの時と同じ。



―対比―


 あの時。



 何も言わなかった。



 今。



 何も言えない。



―エリナ―


「……違う……」



 小さく言う。



 だが。



 意味がない。



―矛盾―


 認めた。



 でも。



 全部は認めていない。



―逃げ道―


 まだ残っている。



 “完全な否定ではない余地”。



―ゼル―


「……選んだな」



 静かに言う。



―エリナ―


「……っ……!」



 体が震える。



―意味―


 あの時。



 何もしなかった。



 それも。



 選択。



―逃げ場の消失―


「……違う……」



 言う。



 だが。



 弱い。



 もう。



 自分でも信じていない。



―ゼル―


「……止められた」



 淡々と。



 感情なく。



―事実の提示―


 できた。



 選べた。



 別の道。



―エリナ―


「……」



 何も言えない。



 言葉が出ない。



―理解―


 分かっている。



 全部。



 分かっている。



―選択の重さ―


 やらなかった。



 それだけで。



 十分だった。



―締め―


 許されるかどうかではない。



 すでに。



 “選ばれている”。



 その事実だけが。



 残っていた。




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