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第107話 思い出してしまった真実

―王都・上層区・エリナの部屋―


 夜。


 呼吸が乱れている。


 止まらない。


 頭を押さえる。


―エリナ―


「……あの時……」


 言葉が続く。


 止まらない。


―崩壊の開始―


 地下。


 暗闇。


 冷たい床。


 鎖の音。


 そして。


 “彼”。


―記憶の完全接続―


 ゼル。


 あの場所にいた。


 閉じ込められていた。


 動かない。


 何も言わない。


 ただ。


 “見ていた”。


―エリナ―


「……違う……」


 否定する。


 だが。


 もう遅い。


―真実―


 見ていた。


 知っていた。


 何が行われているか。


 分かっていた。


―回想―


 他の者たち。


 笑っている。


 軽く話している。


 まるで。


 “普通のこと”のように。


―エリナ(過去)―


「……本当に……やるの……?」


 小さな声。


 躊躇。


 だが。


―返答(仲間)―


「……今さらだろ?」


「……必要なことだ」


 軽く言う。


 何の重さもなく。


―選択の瞬間―


 止めることもできた。


 逃げることもできた。


 だが。


―結果―


 何もしなかった。


 そこにいた。


 見ていた。


 受け入れた。


―エリナ(現在)―


「……私……は……」


 声が震える。


 崩れる。


―確定―


 裏切った。


 直接ではない。


 だが。


 確実に。


 “関わった”。


―感情の爆発―


「……っ……!!」


 涙が溢れる。


 初めて。


 はっきりと。


―罪悪感―


「……なんで……」


「……何で……あの時……」


 言葉にならない。


―本質―


 理由はない。


 正当化もできない。


 ただ。


 選んだ。


 それだけ。


―ゼルの視線(記憶)―


 何も言わない。


 責めない。


 怒らない。


 ただ。


 “見ている”。


―エリナ―


「……やめて……」


 震える声。


 だが。


 止まらない。


―締め―


 思い出してしまった。


 消せない。


 戻せない。


 その時点で。


 すべては。


 “確定”していた。



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