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第105話 つながる記憶

―王都・上層区・エリナの部屋―


 夜。


 静寂。


 だが。


 完全な静けさではない。


―エリナ―


「……っ……」


 床に座り込んでいる。


 呼吸が乱れている。


 整わない。


―継続する侵食―


 暗闇。


 地下。


 冷たい空気。


 逃げ場のない場所。


―断片―


 人影。


 複数。


 その中に。


 “あの目”。


―エリナ―


「……ゼル……」


 自然に出る。


 止めようとしても。


 止まらない。


―変化―


 今までは。


 “名前”だった。


 だが。


 今は違う。


 “対象”になっている。


―認識の発生―


「……いた……」


 小さく呟く。


 初めて。


 “存在”として認識する。


―連結―


 地下。


 暗闇。


 そして。


 “彼”。


―記憶未満の確信―


「……見てた……」


 震える声。


 はっきりと。


 分かる。


―意味―


 何かをした。


 何かに関わった。


 それだけは。


 否定できない。


―拒絶の揺らぎ―


「……違う……」


 言う。


 だが。


 弱い。


 今までのような。


 確信がない。


―矛盾の発生―


 知らないはず。


 覚えていないはず。


 なのに。


 “知っている”。


―エリナ―


「……なんで……」


 声が崩れる。


 理解できない。


―連鎖―


 視線。


 沈黙。


 何も言わない。


 それでも。


 “責められている”。


―感情の芽―


「……っ……」


 胸が締め付けられる。


 これは。


 恐怖だけではない。


―未完成の感情―


 罪悪感。


 だが。


 まだ名前がつかない。


―拒絶の限界―


「……知らない……」


 繰り返す。


 だが。


 自分でも分かっている。


 通じていない。


―締め―


 記憶はまだ戻らない。


 だが。


 “繋がり”は生まれた。


 それだけで。


 もう。


 否定はできなかった。


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