表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

104/152

第104話 思い出してはいけない

―王都・上層区・エリナの部屋―


 夜。


 静まり返る。


 外の音は遠い。


 部屋の中。


 息だけが響く。


―エリナ―


「……ゼル……」


 もう一度。


 口に出る。


 止められない。


―理解の拒絶―


「……違う……」


 首を振る。


 強く。


 否定する。


―記憶の侵食―


 暗闇。


 地下。


 冷たい床。


 鎖の音。


 そして。


 “あの場所”。


―断片の連結―


 人影。


 複数。


 見ている。


 何も言わない。


 ただ。


 “見ている”。


―エリナ―


「……違う……!」


 声が震える。


 今までよりも。


 強く。


―感覚の再現―


 息苦しい。


 空気が重い。


 逃げられない。


 閉じ込められている。


―本能の拒絶―


「……やめて……」


 初めて。


 弱い言葉。


 出る。


―記憶の核心未満―


 誰かが。


 そこにいる。


 何も言わない。


 ただ。


 “見ている”。


―視線の一致―


 その目。


 冷たい。


 感情がない。


 だが。


 忘れられない。


―エリナ―


「……やめて……!」


 頭を抱える。


 座り込む。


 呼吸が乱れる。


―崩れ始める理性―


 今まで。


 完璧だった。


 整っていた。


 何も問題なかった。


 はずなのに。


―否定の限界―


「……知らない……!」


「……覚えてない……!」


 叫ぶ。


 だが。


 通じない。


 自分にすら。


―締め―


 思い出してはいけない。


 そう分かっている。


 だが。


 止められない。


 その時点で。


 すでに。


 “戻り始めていた”。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ