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7-2 14点事件

7-2 14点事件

テレビのワイドショーに出ていたキタジマさん、最近出なくなったでしょ。56点なんだって」

 「えっ、あんなに人気があったのに。かわいそうじゃない」

 「そうでしょ。面白いこと言ってたじゃない。バラエティ番組に出ていたナミノさんもヤマノさんも60点以下で出演できないそうよ」

 「そんなばかな。そんなの人権侵害じゃない」

 「だって、テレビ局に60点以下の人をテレビに出演させるとは何事だっていう抗議の電話やメールがたくさん来ているそうよ。いちおう、事が大きくならないように、出演者本人が自粛していることになっているそうだけど」

 「そんなことが起こっているんだ。知らなかったわ。60点未満の人たち、何も悪いことをしたわけじゃないでしょうに」

 「何にもしていないわよ。あの14点事件のとばっちりよ。時代劇に出てくる悪役のハナダさん知ってる? あの人35点だったんだって。本人は、最初の頃は、悪役冥利に尽きるって、自慢げに吹聴して回っていたらしいんだけど、最近は時代劇に使っていいかどうか審議されているそうよ。本人相当ショックだったらしいわ」

 「無茶苦茶じゃない。時代劇の悪役は本当は良い人で、正義の味方が実際は悪い人だってことは有名な話じゃない。これからの水戸黄門の悪役は、まさか善人面しているんじゃないでしょうね。それじゃ、面白くないじゃない。勧善懲悪のすっきりしたドラマにならないわよ。

それにしても、どうしてこんなに善人アプリが幅を利かせているのよ。まるで倫理審査委員会みたいじゃない」

 「私たちは70点だからこんな話ができるのよ。60点未満の人たちはとっても苦しんでいると思うわ」

 「もうこれは悪魔のアプリね」

 「そうよ、善人アプリなんかじゃなく、「悪魔アプリ」なんだわ」

 「へんなアプリが広がっていったものだわね」

 「ほとんどの人は凡人だから、自分に火の粉が降りかかってこないから、大きな声を上げないのよ」

 「それは何も悪魔アプリに限ったことじゃないけどね」

 「それはそうだけど、家族の中に一人でも60点未満が出たら大変よね。最近では、自分の点数を見られないに、マスクをして歩く人が多くなったそうじゃない」

 「それじゃ、かえって自分が60点未満だと公言しているようなものじゃないの」

 「それが、その人たちだけじゃなくて、抗議の意味を込めてマスクをしている人権擁護派の人たちが増えたそうなのよ」

 「えっ、あれは風邪をひいているからマスクをしているんじゃないの」

 「そういう人もいるけれど、多くの人は風邪なんかひいていないわよ。60点未満の人たちと善人アプリに抗議している人たちが混じっているのよ」

 「そんなにたいへんならば、善人アプリを禁止にすればいいじゃないの」

 「それが表現の自由なんだって」

 「でも、これはもう遊びの範疇を逸脱しているでしょう」

 「そう言えば、14点事件以後、世界的なニュースになって、海外でも善人アプリがはやりだしたそうなのよ」

 「えっ、海外でも善人アプリをやっているの」

 「それがやってみると、外国人の顔では正確な点数が出ないらしいのよね。日本人を多ゲットにして開発されたから仕方ないわよね」

 「白人や黒人は無理なのね」

 「神父さんや牧師さんが、軒並み低い点だったんだって。アフリカの独裁者の大統領に高得点が出て、西洋諸国では、これは信用ならないということになったそうよ」

 「それじゃ、韓国や中国ではどうなの。ここらだったら日本と同じように使えるんでじゃないの?」

 「それがね、北朝鮮ではどうしたわけか委員長の点数が飛び切り高く出たので、かれが有頂天になって、国中に広めたそうなの。取り巻きは大変な目にあっているそうよ。整形手術が流行っているんだって」

 「北朝鮮がやりそうなことね。それで、中国はどうなったの」

 「こちらは、秘密裡に中国版善人アプリを作っているそうよ。善人アプリを使って何か政治的に不穏な動きがあるそうよ」

 「やばいわね。外国でも悪魔のアプリなのね」

 「たかが玩具なのにね」


                                         つづく


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