第25話:霧中激戦
ブラックを探して2人の少女と島を探索するシンはヴァレンと名乗る槍士を二度も撃破して先に進むのだった。
扉を開けて先に進むと暗闇の中で全身に纏わりつくような濃い霧が立ち込めていた。
「あれ?さっきまで夕方だったよね?」
アラストルが不安そうに呟くとシンは頷き
「あぁ。この濃い魔力と霧はさっきの槍野郎が出てきた所と同じだな。悪魔共が何処に潜んでるかわかんねぇから慎重に行かないとな」
そう言って足を踏み出すとシンは小石を蹴り飛ばしてしまう。
石は乾いた音をたてながら、何かに当たった事をシンたちに伝えた。
そして、何に当たったのかは霧の中に響き渡る金切り声で充分に理解出来た。
「「シン!!!」」
二人の少女が怒りを込めてシンの名を叫ぶと道化師人形がシンに駆け寄って来る。
シンは近づいてきた道化師人形を殴ると同時に拳から漆黒の光と共に魔力を放ち、道化師人形を吹き飛ばす。
シンが殴った道化師人形は砕け散るが、同族の断末魔と閃光でシンの位置を知ったのか、道化師人形たちが続々と駆け寄って来る。
シンは背中の大剣を抜くが、ナイフで斬り上げられてしまう。
シンは空中で体勢を立て直すと落下の勢いを利用して、道化師人形たちを斬り伏せて粉砕する。
シンは剣を背中に収めるとまだ形を保っている道化師人形を蹴り上げようとするが無数の糸が突き刺さり、血を吸われてしまう。
蹴り上げようとした道化師人形が目の前で剣士人形に変化するとシンは剣で斬り払われて吹き飛んでしまう。
剣士人形は二人の少女を次の獲物に定めたが、シンが魔力を込めて伸ばした刀身に斬り伏せられると倒れる。
シンは剣を背中に収めると起き上がろうとする剣士人形に殴りかかるが、剣で斬り上げられてしまう。
シンは空中で体勢を立て直すとそのまま落下の勢いを利用して剣士人形に飛び蹴りを叩き込んで着地する。
シンは背中の剣を抜くと立ち上がった剣士人形に向かって振り下ろすが、剣で受け止められてしまう。
シンは鍔迫り合いを制すると剣士人形を蹴り飛ばし、剣を背中に収めてから迫り来る剣士人形にフック、アッパーと拳を繋ぐと右ストレートを打ち込むと同時に漆黒の閃光と共に拳から魔力を撃ち放ち、剣士人形を焼き葬る。
剣士人形が燃えながら消滅していくと二人の少女は腕を組みながらシンを睨んでいた。
「何か言う事は?」
快晴の日中の様な澄んだ蒼髪を揺らしながらアラストルが訊ねるとシンンは無言で頷き
「悪ぃ悪ぃ。石ころが有るなんて思わなくてよ」
そう言ってシンが歩き出すと二人の少女はため息をついて後を追う。
しばらく進むと霧の中を漂う何かが居た。
シンはそれに気づくと無言で手を差し出して少女たちに止まる様に指示する。
次の瞬間、霧の中から鋏を持った死神が襲い掛かって来るとシンは何発も死神を殴ってから蹴り飛ばす。
シンに顔を蹴り砕かれた死神は霧散するが、同種の死神が猛スピードでシンに迫ると振りかぶった鋏で斬られてしまう。
シンが倒れると死神は鋏を突き刺そうとするが、アラストルが蒼剣でそれを弾く。
アラストルと死神が鍔迫り合いを行う中、シンは立ち上がると死神に回し蹴りを打ち込もうとするが、逆に鋏で斬り上げられてしまう。
シンは空中で体勢を立て直すと右腕をライフルに変えて魔弾を撃とうとするが、シンを追って飛んできた死神に再び斬り上げられてしまう。
死神はシンを嘲うと抵抗の出来ないシンの身体に鋏を突き刺して魔力を吸うと仮面を被り、鋏は鎌へと姿を変える。
仮面の死神は鎌を振り回してシンを地面に叩きつけると叫ぶ。
仮面の死神の叫び声を聞きつけて鋏を持った死神が現れるとシンは立ち上がり、右腕をガトリングガンに変えると集まって来た死神たちに向けて魔弾を乱射する。
死神たちがシンの魔弾で撃ち砕かれる中、逃げようとした死神たちの前にアラストルが飛び出すと死神たちは蒼剣で斬り上げられる。
シンが右腕を戻してアラストルに加勢しようとすると生き残った二匹の死神は一斉にシンに向かって飛んで来たかと思うとそれぞれの得物でシンを斬り上げてから鋏を持った死神がシンに鋏を突き刺して魔力を吸うと仮面を着けた死神に変化すると叫び出して鋏を持った死神が新たに召喚される。
シンは空中で体勢を立て直すと右腕をショットガンに変えて死神たちに魔弾を浴びせるが、鋏を持った死神には鋏で弾かれてしまう。
仮面の死神が一体霧散する中、シンは着地すると右腕を大砲に変えて追って来る死神たちに砲口を向けて漆黒の閃光を浴びせる。
閃光が消えると残っていたのは仮面の死神のみだった。
仮面の死神はシンに向かって来ようとするが、その瞬間に雷を纏った蒼剣が仮面の死神を貫いて吹き飛ばす。
シンは右腕を元に戻すと背中の剣を抜いて死神に斬りかかるが、死神は剣撃を弾き返して鎌を突き刺すと魔力を吸って獣骨を被った姿に変わる。
獣骨の死神は鎌でシンを殴り飛ばすと風を切る様に素早く動くと鎌でシンを斬り伏せて地面に叩きつける。
シンが立ち上がろうとすると獣骨の死神はそれを嘲うかの様に鎌を突き刺してシンを地面に固定する。
その瞬間、またしても雷を纏った蒼剣が死神を貫いて吹き飛ばす。
鎌が抜けて自由になったシンは立ち上がると自分の剣を拾い上げて魔力を込めて刀身を伸ばすと勢いよく向かって来る獣骨の死神に向かって剣を垂直に振り下ろした後に真横に剣を振り払って斬り刻む。
獣骨の死神が悲鳴をあげると仮面の死神が新たに召喚される。
シンは剣の刀身を元に戻して背中に収めるとジャンプしたかと思うと死神たちに向かって落ちていき、飛び蹴りを食らわせる。
吹き飛んだ死神たちが怒りの叫びと共に反撃しようとすると蒼雷が死神たちに落ちる。
シンは再び背中の剣を抜くと魔力を込めて刀身を伸ばすと動き出そうとする死神たちに剣を振り下ろす。
悲鳴をあげた死神たちが反撃しようと動き出すとまたしても蒼雷が死神たちに落ちる。
シンは剣の刀身を元に戻してから背中に収めて雷が止むと同時に死神たちに殴りかかるが、鎌で防がれたと思った瞬間に獣骨の死神に鎌を突き刺されて魔力を吸われてしまう。
シンが動けずにいる中、仮面の死神も鎌を突き刺して魔力を吸うと獣骨の死神に姿を変える。
先に鎌を突き刺して魔力を吸っていた獣骨の死神は傷が癒えるとシンを嘲うかの様に叫び、新たに仮面の死神を召喚する。
三匹の死神が抵抗しないシンに一斉に鎌を振り下ろそうとしたその瞬間に蒼雷がシンも巻き込んで死神たちに落ちる。
雷が止むとシンは背中の剣を抜いて魔力で刀身を伸ばし、死神たちを斬り払う。
獣骨の死神が一体砕け散るとシンは叫ぶ。
「不死身でも雷浴びたら痛ぇんだからな!!でも、サンキューな。お陰で動ける様になった」
シンはそう言うと剣の刀身を元に戻して背中に収めるが、その瞬間に飛んで来た鎌に斬り払われて吹き飛んでしまう。
死神たちは鎌を拾い上げると吹き飛んだシンを追い、獣骨の死神がシンに鎌を何度も振り下ろして斬り刻む中、仮面の死神がシンを斬り上げてしまう。
シンは空中で体勢を立て直すと回転しながら落下していく。
「回転刃!!」
死神たちに踵落としを叩き込んでからシンが着地すると仮面の死神は尚も反撃しようとするが、駆け付けたアラストルに蒼剣で何発も突きを打ち込まれて砕け散る。
それを見た獣骨の死神が悲しむ様に叫ぶと新たに仮面の死神が召喚される。
シンは腕をライフルに変えるとジャンプして仮面の死神の頭部を狙撃する。
「裁きの銃弾!!」
仮面の死神が悲鳴をあげると獣骨の死神は素早くシンの元へ向かうと鎌で斬り上げてしまう。
仮面の死神の悲鳴で新たに鋏を持った骨面の死神が召喚されるとアラストルは雷を纏わせた蒼剣で突きを深く打ち込み、鋏を持った死神を打ち砕く。
鋏の死神の断末魔が響くと二体の死神がアラストルの方へと向かうが、シンは空中で体勢を立て直すと狙いを定める。
「お前らの相手は俺だろうが!裁きの銃弾!!」
数発の銃声が霧の中に木霊するとシンが着地すると同時に死神たちは霧散する。
「はぁ。疲れた」
シンは腕を元に戻しながら呟くと周囲を見渡して自分を何度も助けてくれた蒼髪の少女を見ると安堵するが、真紅の髪の少女が居ない事に気づく。
「あれ?イフリートは?」
シンが尋ねるとアラストルも気づいた様で周囲を見渡す。
「おい。イフリート!何処だ!!」
シンが叫ぶと少女の代わりに獣の咆哮が響き渡ったかと思うと地響きの様な足音と共にイフリートと2m程の巨大なトカゲが現れる。
「シーン!!助けてくれー!!死神たちと戦ってたら、こいつらにも気づかれたー!!!」
シンとアラストルは顔を見合わせると苦笑いをして
「仕方ねぇな。俺が追って来てる奴等の相手をする。アラストルはイフリートと一緒に居てくれ」
シンはそう言うと背中の剣を抜くが、地中から勢いよく出て来たトカゲに爪で斬り上げられてしまう。
アラストルはイフリートと合流すると追って来た巨大なトカゲに蒼剣で突きを打ち込んで吹き飛ばす。
シンは空中で体勢を立て直すと着地すると同時に自分を斬り上げたトカゲとアラストルに吹き飛ばされたトカゲを斬り上げる。
小型の(と言っても成人男性と変わらない大きさだが)トカゲはシンに斬られて絶命するが、イフリートを追って来た巨大なトカゲは空中で体勢を立て直すとシンに狙いを定めると落下しながら右の爪で斬り伏せたかと思うと即座に左の爪で斬り上げてから再び、右の爪を振り下ろしてシンを地面に叩きつける。
トカゲは爪で地面を抉りながらシンを斬り上げるとジャンプしたかと思うとアラストルたちの前に着地して威嚇するかの様に咆哮する。
シンは空中で体勢を立て直すと握りしめたままだった大剣を構えて落下の勢いも利用して文字通りトカゲを叩き斬る。
トカゲが怯んだ隙にアラストルはトカゲの無防備な腹に剣撃を叩き込んで斬り上げる。
「ヒュー。力持ち~」
シンは茶化すと大剣を背中に収めてから落ちて来たトカゲを殴ると同時に拳から魔力を撃ち放ち、トカゲを再び宙へと打ち上げる。
トカゲが宙で砕け散ると肉片や血が降り注ぐ。
「……!!?ちょっと!?シン!!」
アラストルが怒りで叫ぶとそれに釣られたかの様に地中からシンと同じ位の大きさのトカゲが現れる。
シンはため息をつくと殴りかかるが、トカゲの爪に斬り伏せられてしまう。
シンは右手を拳銃に変えて撃とうとするが、それを察知したトカゲは爪で斬り払ってシンを吹き飛ばす。
トカゲはジャンプしたかと思うと吹き飛ぶシンに向かって落下していき、爪撃を打ち込んでシンを斬り伏せて地面に叩きつける。
トカゲは勝ち誇った様に咆哮するとアラストルたちの元に駆けていく。
茂みからトカゲが勢いよく飛び出すとアラストルとイフリートは身構えるが、次の瞬間にトカゲは漆黒の剣で斬り上げられてしまう。
シンは剣を背中に収めてから右腕をライフルに変えて狙撃しようとするが、空中で体勢を立て直したトカゲに斬り伏せられてしまう。
シンは立ち上がると背中の剣を抜くと斬り払ってトカゲを打ち飛ばすが、茂みから新たにトカゲが現れる。
シンは剣を背中に収めると右腕をライフルに変えてから飛び上がり、トカゲたちの頭部を狙撃する。
「裁きの銃弾!!」
シンの魔弾を受けたトカゲたちが悶絶する中、血の匂い、同族の鳴き声、濃い魔力に釣られたかの様に茂みから次々にトカゲたちが現れる。
シンは着地すると右腕をロケットランチャーに変えると一斉に向かって来るトカゲたちの集団に向けて撃ち放つ。
激しい爆発と同時にトカゲたちの悲鳴が霧の中に響き渡るとシンは右腕を元に戻すが、爆炎の中から飛び出して来たトカゲたちに斬り伏せられて倒れてしまう。
トカゲたちは爪に勝るとも劣らない鋭い牙でシンに喰らいつくと貪る様に肉を嚙み千切る。
抵抗したシンが一匹のトカゲを殴ると逆上したトカゲに斬り上げられてしまう。
シンは空中で体勢を立て直すと無事だった右腕をライフルに変えて地上のトカゲたちを狙撃してから着地するが、再生が間に合ってない足では衝撃を緩和出来なかった様でシンは倒れてしまう。
起き上がったトカゲたちは倒れたシンに一斉に襲い掛かろうとするが、アラストルが突きを打ち込んでトカゲたちを打ち飛ばしてシンを守る。
「サンキュー……」
シンが力無く言うとアラストルは無言で頷く。
シンは足の再生が完了すると立ち上がってから背中の剣を抜き、駆け寄って来るトカゲたちを次々に斬り上げると剣を背中に収めてから右腕をライフルに変えて狙撃するが、空中で体勢を立て直したトカゲたちに魔弾を爪で弾かれてしまう。
シンは右腕を元に戻してから背中の剣を抜き、着地したトカゲたちに突きを打ち込んで吹き飛ばす。
シンは追撃を打ち込もうとトカゲたちを追うが、トカゲたちは木や岩を蹴ってシンの元へと飛び戻ると爪でシンを斬り上げる。
トカゲたちはジャンプしたかと思うとシンを斬りつけて地面に叩き落とすと着地すると同時に再びシンを斬り上げてから再びジャンプしてシンを斬り伏せて地面に叩きつける。
トカゲたちは着地するとシンに何度も爪を突き刺し、シンが反応しなくなるとトカゲたちは飽きたのか攻撃を辞めてアラストルたちの元に向かおうとするが、その瞬間に魔弾で狙撃される。
トカゲたちが振り返るとそこには右腕をライフルに変えたシンの姿が有った。
トカゲたちは怒りを表すかの様に咆哮するとシンを斬り上げる。
シンは空中で体勢を立て直すと着地と同時にトカゲたちを蹴り倒してから蹴り上げて宙へと打ち上げる。
シンの蹴りを喰らって動かなくなったトカゲたちが落ちてくると茂みから新たにトカゲが現れる。
「霧だらけなのにキリが無いな」
シンはそう言うと右腕をライフルに変えるとジャンプしてトカゲの頭部に魔弾を叩き込む。
「裁きの銃弾!!」
シンは着地すると右腕を元に戻すが、その隙を突かれて斬り伏せられてしまう。
シンは起き上がろうとするが、トカゲはそれを許さないと言うかの様に爪を突き刺してくる。
シンが痛みに悶える中、トカゲはそれを楽しむ様に爪で傷口を抉るとシンを貪る様に喰らいつくが、シンは右手を拳銃に変えるとトカゲの頭部に魔弾を撃つ。
トカゲが悲鳴をあげて飛び退くと茂みから新たなトカゲが現れる。
「……どんだけ居るんだよ」
シンは悪態を突きながら傷口をおさえて立ち上がると、トカゲたちの爪撃を避けて自分の大剣を拾い上げると突きを打ち込んでトカゲたちを吹き飛ばす。
シンは倒れているトカゲたちを斬り上げると落ちて来たトカゲたちを斬り払って打ち飛ばすと剣を背中に収めてから反撃しようと向かって来るトカゲたちの頭部にハイキックを打ち込んで蹴り飛ばす。
トカゲたちは尚も反撃しようと向かって来るが、シンは爪撃をジャンプで躱すと回転しながら落下してくる。
「回転刃!!」
踵落としを叩き込んでトカゲたちを打ち飛ばして着地すると背中の剣を抜き、倒れているトカゲたちを次々に斬り上げていく。
シンは剣を背中に収めると独楽の様に回り出して、落ちて来たトカゲたちを次々に蹴り飛ばす。
シンは回るのを辞めると右腕をショットガンに変えてトカゲたちに撃とうとするが、トカゲたちの爪で突かれて倒れてしまう。
トカゲたちは倒れたシンを踏み躙ると咆哮するが、次の瞬間に棘だらけの尾に貫かれて何処かへと連れ去られる。
他のトカゲたちの悲鳴も木霊する中、シンが起き上がると2m程の巨大なトカゲが涎を垂らしながらシンを見ていた。
「腹ペコってか?俺は食えねえぞ?」
シンがそう言うとそれを否定するかの様に大トカゲは吠える。
「やれやれ」
シンはため息をつくとジャンプして大トカゲの頭部に蹴りを打ち込もうとするが、棘だらけの尾で打ち据えられて地面に叩きつけられる。
「くっ……!!」
シンは痛みに歯を食い縛りながら右腕をライフルに変えると大トカゲの腹に魔弾を撃つ。
大トカゲが悲鳴をあげながら飛び退くとシンは立ち上がり、背中の剣を抜くと目の前の暴れる獣を斬り上げると魔力を込めて刀身を伸ばし、落ちて来たトカゲに剣撃を叩き込んで斬り伏せる。
シンは剣の刀身を元に戻して背中に収めると飛び上がり、回転しながら落下してくる。
「回転刃!!」
大トカゲの腹に踵落としを打ち込んで着地するとシンは右腕をショットガンに変えて魔弾を撃つが、大トカゲは飛び跳ねて魔弾を躱してしまう。
「その巨体でその動きは反則だろ」
シンはそう言うと背中の剣を抜くが、尾で打ち据えられて吹き飛ばされてしまう。
大トカゲは何度も尾でシンを打ち飛ばした後に爪でシンを突き刺し、口に入れようとするがその瞬間にシンが握り絞めている大剣の刀身が伸びたかと思うと大トカゲの顔面を斬り裂く。
大トカゲが痛みに暴れてシンを放り投げるとシンは立ち上がり、剣を背中に収めてから口を開く。
「だから言っただろ?俺は食えねぇって」
そう言うとシンは暴れる大トカゲを蹴り上げると後を追う様にジャンプして空中で何発も殴ってから蹴り落とす。
シンは着地すると右腕をライフルに変えるが、その隙を突かれて爪で斬り上げられてしまう。
大トカゲは落ちてきたシンを再度爪で斬り上げると落ちて来た所に爪で突いてシンを地面に叩きつける。
シンは立ち上がると背中の剣を抜く。
大トカゲは爪を突き刺そうとするが、シンは魔力を込めて剣の刀身を伸ばすとトカゲの腕を斬り落とす。
痛みに悶絶して大トカゲが暴れ狂うと尾が周りを打ち据える。
シンがなかなか近づけずに居ると何処からか炎が飛んできて大トカゲを包み込む。
炎に包まれた大トカゲが苦悶の咆哮をあげながら倒れると炎が止む。
炎が飛んできた方向を見るとそこには正拳突きのフォームをしたイフリートの姿が有った。
シンがサムズアップをするとイフリートもサムズアップをして応える。
シンが剣の刀身を戻して背中に収めると大トカゲは起き上がろうとする。
イフリートは大トカゲに駆け寄るとアッパーで宙へと打ち上げる。
「サンキュー!後は俺だな!イフリート!危ねぇから下がってろよ!!」
シンはそう言うと飛び上がり、大トカゲを何発も殴ってから蹴り落とすが下にはイフリートが居た。
「おい!下がってろって言っただろ!!」
シンが慌てる中、イフリートはニヤリと笑い
「大丈夫!今から返すからしっかり受け取ってくれ!!」
そう叫ぶと落ちて来た大トカゲにアッパーを打ち込むと再び宙へと打ち上げる。
その瞬間に、風を切るかの様に駆け寄って来たアラストルがイフリートを連れて退却する。
「ったく。心配させやがって。……まぁ、それもこれもお前のせいだけどなぁ!!」
シンはそう言うと大トカゲの顔面を蹴って地面に叩き落としてから着地する。
シンは立ち上がろうともがく大トカゲにゆっくりと歩み寄ると再び蹴り上げると右手を拳銃に変えて魔弾を撃つが、大トカゲは尾で魔弾を打ち弾いて着地する。
「まだまだ元気そうだな」
シンはそう言うと右手を元に戻してから殴りかかるが、尾で打ち据えられてしまう。
シンは立ち上がると右腕をロケットランチャーに変えて撃ち放つが、大トカゲは尾でロケット弾を弾くと見当違いの所で爆発が起きる。
「俺の仲間が怪我したらどうすんだ!!」
シンは叫びながら右腕を元に戻すと回し蹴りを打ち込もうとするが尾で打ち据えられてしまう。
大トカゲは倒れているシンを爪で斬り払おうとするが、シンは四肢に力を込めて飛び上がって爪撃を避けると右手を拳銃に変えて撃つが、大トカゲの鱗に弾かれた様で痛がりもしない大トカゲに爪で斬り上げられてしまう。
シンは空中で体勢を立て直すと両足に魔力を込めて落下の勢いも利用して大トカゲに蹴りを打ち込み、着地すると同時に回し蹴りを打ち込んで蹴り飛ばすと自分の魔力で飛び蹴りのラインと回し蹴りのラインが大トカゲの身体に十字を描いていた。
シンが拳から魔力を撃ち放つと十字の中心に当たったシンの魔力が大トカゲの身体を焼き尽くす勢いで駆け巡る。
「クロスブレイク!!これでどうだ!」
シンが叫ぶと大トカゲが立ち上がる。
「はぁ?渾身の一撃だったんだけどな……」
シンはそう言うと殴りかかるが、爪で斬り上げられてしまう。
だが、シンは空中で体勢を立て直すと右腕をロケットランチャーに変えて大トカゲに撃ち放つ。
激しい爆発が起きて大トカゲが倒れるとシンは着地するが、大トカゲは尚も起き上がろうとしていた。
「どんだけタフなんだよ」
シンはそう言うと右腕を元に戻すと大トカゲを蹴り上げてから後を追う様にジャンプして空中で何発も殴ってから蹴り落とす。
シンが着地するとまだ大トカゲは起き上がろうとしていた。
「マジかよ……」
大トカゲは爪でシンを斬ろうとするが、シンはジャンプして爪撃を躱すと大トカゲの顔面を蹴る。
蹴られた大トカゲは倒れるとシンが着地しても動く事は無かった。
「……。はぁ……やっとか」
シンがため息をつくとアラストルとイフリートが現れる。
「驚かすなよ。トカゲ共かと思ったぞ」
シンが笑いながら言うとアラストルたちも笑いだすが、シンは真顔になるとイフリートに目線を合わせる。
「イフリート。さっきは助かった。ありがとな。でもな?俺が下がれって言った時は下がってくれ」
シンが真剣に言ってる事を悟ったイフリートは無言で頷く。
「ってか、なんでトカゲなんかに追われてたんだ?」
シンが笑いながら訊ねるとイフリートは口を開く。
「死神たちと戦ってる時に鎌投げ返してたら最初の大きい奴に刺さってそれで追われたんだ」
シンとアラストルは頷き
「「そりゃ怒って追いかけてくるわ」」
と納得するのだった。
「さて、先に進むか」
シンがそう言って歩き出すと霧の向こうに光が見えて来た。
「あ!光だ!出口だわ!早く行きましょ!!」
アラストルが駆け出すとイフリートもそれに続く。
「おい。待てよ!!」
シンが呼び止めると同時に二人の少女の悲鳴が木霊する。
「だから待てって言ったのに!!」
シンも光に向かって駆け出すと霧の中から出る。
そこは夕暮れの庭園の様な場所だった。
二人の少女が腰を抜かしてるのを見たシンは少女たちの視線の先を見る。
するとそこには動く岩が居た。
いや、もう少し詳しく説明するなら2m程の人の形をした岩が動いていた。
「ヴァアアアアアアア!!」
少女たちの悲鳴を真似するかの様に叫んだ人型の岩は叫ぶと同時に振り上げた拳を振り下ろす。
地面に激震が奔ると同じ様な人型の岩が何体も出て来た。
「おいおい、マジかよ」
シンが呟くと岩人は腕を振り回してシンを殴ろうとしてくる。
シンは拳を避けると背中の剣を抜き、岩人を斬り上げると剣を背中に収めてから右腕をライフルに変えて岩人を狙撃すると落ちて来た岩人にハイキックを打ち込んで蹴り飛ばす。
「まだやるか?別に殺す気は無い。黙って道を開けろ」
シンがそう言うと蹴り飛ばされた岩人がゆっくりと近づいてきたかと思うとシンを殴りつける。
「……。あぁ。そうかい。それなら仕方無ぇよなぁ」
シンはそう言うと回し蹴りを打ち込むが、岩人には効かなかった様で岩人は身動き一つ取らなかった。
シンはジャンプすると岩人の顔面に蹴りを叩き込む。
シンに蹴られた岩人が砕け散ると遠くから見ていた別の岩人がこちらに近づいてきた。
シンは着地すると右腕をロケットランチャーに変えて撃つが、岩人はジャンプして避けると拳でシンを叩き潰そうとしてくる。
シンは拳を躱すと右腕を元に戻すが、その隙を突かれて何発も岩の拳で殴られてしまう。
岩人が大きく腕を振り上げた好きにシンは立ち上がると岩人の胸に蹴りを叩き込んで蹴り飛ばす。
シンは追撃で回し蹴りを打ち込もうとするが、足を掴まれたかと思うと振り回されて地面に何度も叩きつけられてしまう。
岩人がシンを投げ飛ばして自由になるとシンはよろめきながらも立ち上がると背中の剣を抜き、岩人に駆け寄り、袈裟斬りにする。
岩人が怯むとシンは剣を振り上げるが、岩の拳を叩きつけられて倒れてしまう。
その瞬間、イフリートが飛び出して来たかと思うと岩人に何発も拳を打ち込む。
岩人が怯んで数歩下がると、シンは自由になって立ち上がる。
シンは右腕をライフルに変えると岩人の頭部を狙撃する。
シンの魔弾が頭部に命中した岩人は尻餅をつくが、すぐに立ち上がると殴りかかって来る。
シンは右腕を元に戻すと自分の大剣を拾い上げて拳を剣撃で弾く。
その隙にイフリートが跳ねたかと思うと岩人の顔面に裏拳を叩き込んで岩人を殴り倒す。
シンは剣を背中に収めてから両腕をショットガンに変えて起き上がった岩人の顔面に魔弾を撃ち放つ。
「零距離射撃!ダブルショットガン!!」
シンの魔弾を浴びて頭部が砕け散ると岩人の身体は細かく砕け散る。
遠くに居た最後の岩人がゆっくりと近づいて来るとイフリートがアッパーを打ち込んで岩人を宙へと打ち上げる。
シンはその間に両腕を元に戻すと背中の大剣を抜き、岩人が落ちてくる場所に駈け寄ると剣を振り上げて岩人を再び宙へと打ち上げる。
シンは剣を背中に収めると独楽の様に回り出す。
それを真似るかの様にイフリートも回り出すと落ちて来た岩人にシンの回し蹴りとイフリートの裏拳が何発も打ち込まれて吹き飛ぶ。
シンは立ち上がろうとする岩人に駆け寄ると殴ると同時に拳から魔力を撃ち放ち、岩人を更に吹き飛ばす。
シンは背中の剣を抜くと立ち上がった岩人に斬りかかるが、岩人は大きな掌で剣撃を払いのけるとがら空きになったシンのボディに岩の拳を何発も打ち込む。
岩人が大きく腕を振り上げた隙にシンは起き上がると岩人の渾身の一撃を避ける事に成功する。
岩人は腕を振り回すが、シンはそれをジャンプで躱すと岩人の頭部に蹴りを叩き込む。
岩人が倒れるとイフリートが駆け寄って来てアッパーを打ち込んで岩人を宙へと打ち上げる。
シンは右手をハンドマシンガンに変えると空中の岩人に魔弾を撃ち放つ。
イフリートの拳とシンの魔弾を受けた岩人が空中で砕け散ると破片が降って来る。
「うぇ~……。シン!!」
イフリートの抗議にシンは首を横に振りながら右手を元に戻し、周囲を見渡すと扉を見つける。
他に見渡しても来た道以外に行けそうな場所は無い。
「じゃあ、行くか」
シンはそう言うと扉を開けて先に進むのだった。
25話読了ありがとうございます。
お久しぶりです。
前回の執筆が去年の7月と言う事で半年間も動きが無かった事をお詫び致します。
生きている限りはきちんと執筆したいと思っているので気長にお待ち頂けると幸いです。
それではまた次のお話でお会いしましょう。




