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Blackstorm Ship's log  作者: ノアール
24/27

第24話:新たな敵

 攫われたブラックを探して島を探索するシンとアラストルは新たに仲間になったイフリートと共に襲って来た怪鳥を撃退して闘技場へと向かうのだった。

 シンは闘技場の前に辿り着いてからもう一度周囲を見回すと闘技場を囲む様に立つ石造りの高い壁に大きな扉が有るのを見つける。

シンは一瞬歩みを止めた後に扉へ向かって歩き出す。

シンが闘技場に向かうと思っていた2人の少女は戸惑いながらシンを追いかける。

「シン?何処行くの?」

「あの建物に行くんじゃないのか?」

少女たちに訊ねられたシンは歩きながら答える。

「いや。最初は行く気だったんだけどな?あの鳥、島の主の命令で来たって言ってただろ?もし、そのコロシアムにブラックや主とやらが居るならあいつが逃げる訳無いだろうから別の場所を探そうかと思ってな」

シンはそう言うと辿り着いた扉を見上げる。

「巨人でも居るのか?」

シンが呟くと少女たちは一瞬固まる。

「巨人なんて見た事無いけど……。この島見た事も無い生き物沢山居るから巨人が現れてもおかしくは無いわよね……。」

アラストルが不安そうに呟くとイフリートが笑いだす。

「大丈夫だって。もしかしたら仲良くなれるかもしれないぜ?」

イフリートの言葉を聞いたシンは笑いだす。

「巨人も食おうとしなくて良かったよ。んじゃ、行くか」

そう言った瞬間にシンは扉に蹴りを叩き込む。

シンに蹴られた瞬間に扉が砕け散ると濃い霧が流れ出てきたかと思うと空気が渦を巻く。

扉の先は濃い霧が充満した森だった。

霧が身体に張り付くような重い空気の中を歩いて行くとシンたちは扉の前に辿り着く。

その扉は先程の巨大な扉と打って変わり、普通の木製の扉だった。

シンが扉を開けようとすると背後で爆発が起きる。

振り返ると濃霧の中に複数の人影が有った。

シンが少女たちを守る様に一歩前に出ると複数の人影の中で一際大きい影がシンの方へと一歩進んでくる。

濃い霧の中でもわかる程に鮮やかな赤色の髪を後ろで一つに纏めて漆黒の鎧に身を包んだ2m程の男は口を開く

「お前、随分強いんだな?大抵の人間はここまで来る前に死んじまうぜ?」

そう言いながらシンに近づいてきた男は手に持った槍の穂先をシンに向ける。

「お前が何者かは知らねえけど、とりあえず死ね」

その瞬間に影が向かって来るとシンは殴りかかるが、霧の中から出て来た剣士人形に斬り伏せられたと思うと糸が全身に突き刺さる。

霧の中から出て来た道化師人形がシンの血を吸うと新たな剣士人形になる。

イフリートは籠手を燃やして剣士人形たちに殴りかかるが、蹴り飛ばされてしまう。

糸を通じてシンの血を吸った剣士人形がシンに剣を突き刺すと血を吸って更に姿を変える。

凹凸の無い陶器の様な顔が割れたかと思うと獣の様な頭部が現れて、手と足からは鋭い獣の爪が飛び出し、手に持っていた剣は巨大な槍となっていた。

槍士人形は槍を振り回してシンを吹き飛ばすと勝ち誇った様に雄叫びをあげる。

シンは立ち上がると、右腕をライフルに変えるが槍士人形と剣士人形に同時に斬り上げられてしまう。

槍士人形は落ちて来たシンに槍を突き刺すと返り血を浴びた顔面を舌で舐めてから槍を振り回してシンを吹き飛ばす。

剣士人形が吹き飛んだシンを追いかけて見つけると起き上がろうとするシンに剣を突き刺す。

シンが抵抗を辞めると人形たちは槍を持った男の前に跪く。

それを見た男は拍手をする。

「おぉ。誰も仕留められなかったあいつをお前らが仕留めたのか。凄いなぁ」

男の言葉に頷き、頭を垂れる人形たちの前で立ち上がると男は

「って言うとでも思ったのか?」

そう言うと穂先が十字になっている槍を振り払う。

その瞬間に頭部が落ちて人形たちが倒れると男は倒れているシンの前に立つ。

「お前、まだ生きてるだろ。死んだふりなんかしたって無駄だぞ」

男の言葉を聞いたシンは頭を掻きながら起き上がる。

「助けてくれるのか?殺りてぇなら今がチャンスだっただろうに」

シンがそう言いながら立ち上がると男は笑いだす。

「動かない奴に槍を刺すなんてつまらねぇだろうが」

男の言葉を聞いてシンが「なるほどな」と呟くと男はニヤリと笑って回し蹴りを繰り出すが、シンは背中の剣を抜くと切っ先を打ち込んで突き飛ばす。

「おいおい。正々堂々戦いたいんじゃねーのか?」

シンが呆れた様に言うと男は立ち上がる。

「お前は立ってる。俺も立ってる。なら、戦うのは卑怯でも何でも無いだろうが!!」

男がそう言って槍を振り払うと爆発が起きてシンたちは吹き飛ばされてしまう。

男は吹き飛んだシンを追いかけて走ると飛び上がり倒れているシンに向かって落ちていったと思うと着地と同時にシンに槍を突き刺したかと思うとその瞬間に爆発が起きてシンは更に吹き飛ぶ。

男は再び飛び上がるとシンに追撃を打ち込もうとするが、その瞬間に地上から飛んできた炎に飲み込まれて燃えながら地面に落下する。

その瞬間に漆黒の影が燃えながら暴れる男に向かって落ちて来たかと思うとシンが男に飛び蹴りを叩き込んで着地する。

シンは右手を拳銃に変えて男を待ち構えるが、槍が飛んできて爆発したかと思うと男が茂みから飛び出て来てシンを何発も殴ってから蹴り飛ばす。

男は地面に刺さっている槍を引き抜くと穂先をイフリートに向ける。

「さっきのは効いたぜ。だがよ?こっちがせっかく一対一でやってるのに、割り込むとかどういう神経してるんだぁ!?あ”ぁ”!!?」

男が槍を振り払おうとすると「イフリート!しゃがめ!!」とシンの声が聞こえてくる。

イフリートがその言葉の通りにするとシンが剣で男を斬り払って吹き飛ばす。

シンが剣を背中に収めて男の反撃に備えていると男は槍でシンを斬り伏せようとするが、シンがそれを避けるとイフリートが回し蹴りを叩き込んで男を蹴り飛ばす。

シンは右手を拳銃に変えて飛んでいく男に魔弾を撃つが男は槍で魔弾を弾き、受け身を取ってから地面を蹴って飛び上がると落下してきてシンに飛び蹴りを食らわせて着地する。

「さっきから痛ぇんだよ!!!」

男は吠えるとイフリートを探すが、木を蹴って戻って来たシンに殴られて吹き飛ぶ。

シンは着地すると右腕をショットガンに変えるが、槍が飛んできたかと思うと地面に刺さった瞬間に激しい爆発が起きてシンは吹き飛ばされてしまう。

男は歩いて槍の刺さっている場所まで戻ってくると槍を引き抜き、シンや2人の魔宝を探すが茂みの中から現れたシンに剣で袈裟斬りにされた後に斬り払われてから突きを打ち込まれて吹き飛んでしまう。

シンが剣を背中に収めると爆発が起きるが、シンは爆風を避けると右手をサブマシンガンに変えると倒れている男に魔弾を浴びせる。

男は唸りながら立ち上がるとシンにハイキックを打ち込もうとするが、シンはそれを避けてから右腕をロケットランチャーに変えて男に撃ち放つ。

激しい爆発が起きると濃霧が晴れたかの様に明るくなる。

シンは右手を拳銃に変えて爆炎の中の影に撃とうとするが、再び激しい爆発が起きたかと思うと爆炎がシンに襲いかかる。

シンが爆風で吹き飛ぶと男は槍を振り払い、再び爆発を起こす。

爆発でシンが更に吹き飛ぶと男は追撃を打ち込もうとシンを追いかけるが、立ち上がったシンは背中の剣を抜いたかと思うと魔力で刀身を伸ばして男に向かって振り下ろす。

シンは剣の刀身を元に戻すと剣を背中に収めてから魔力の刃で斬り伏せられた男の傷が少しずつ治るのを見て右腕をガトリングガンに変えて魔弾を撃ち放つ。

シンが右手を拳銃に変えようとした隙に男は茂みの中に隠れてしまう。

男を見失ったシンは右腕を元に戻すと飛び上がり、槍の穂先で男を見つけると回転しながら落ちていき踵落としを叩き込む。

「回転(ラウンド)刃(エッジ)!!」

「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

男が悶絶するとシンは距離を取り、右腕をロケットランチャーに変えるともがく男に向かって撃ち放つ。

激しい爆発が起きるとシンは爆炎の中の影に殴りかかるが、逆に殴り倒されてしまう。

爆煙の中でシンは男に何度も踏みつけられ、蹴りを打ち込まれていた。

シンが身動きを取れない中、イフリートが男の腹に蹴りを叩き込むと爆煙が一瞬で晴れて槍を持った男が吹き飛ぶ。

「大丈夫か?シン」

イフリートが心配する中、シンは笑いながら立ち上がる。

「お前が無事で良かったよ」

シンはそう言うと背中の剣を抜き、反撃しようと迫って来る男を袈裟斬りにしてから斬り払って打ち飛ばす。

シンは剣を背中に収めるが、その瞬間に爆発が起きてシンとイフリートは吹き飛んでしまう。

男は槍を引き抜くと倒れているシンに話しかける。

「こっちは部下を斬り殺してでも一騎打ちにしてるのによぉ!」

そう言うと動かないシンを蹴り飛ばす。

転がったシンを追いかけてきた男はシンの頭を踏みにじりながら子供を諭す様に話しかける。

「なぁ。焼かれたり、撃たれたりしたらどうなると思う?」

答えないシンの胸部を踏みつけると男はシンを蹴り上げてから叫ぶ。

「焼かれたり、撃たれたら痛ぇんだよ!!!」

そう言うと落ちて来たシンを蹴り飛ばす。

蹴り飛ばされたシンが木に当たって地面に落ちると男は槍を振り払い穂先で動かないシンを斬り裂いた後も何度も槍で突く。

シンの身体にいくつもの穴が開くと男は息を切らすとシンに踵を返してイフリートを探しに行こうとする。

「安心しな。あのクソガキ2匹は悪魔の餌にしてやる。その前にとことん苦しめるけどな」

男がそう言うと炎の竜巻が飛んできて炎の拳で何度も殴られた男は吹き飛ぶ。

竜巻の回転が止まるとイフリートが現れる。

「……シン!……シン!!しっかりしろ!!!」

イフリートの声で目を覚ましたシンは傷の痛みに顔を歪めながらも立ち上がるが、その瞬間に男が槍を振り回して襲いかかって来る。

シンは背中の剣を抜くと真横に振り払って男を斬り飛ばす。

シンは背中に剣を収めると吹き飛んだ男に殴りかかるが、男は咄嗟に転がって避けてしまう。

シンは背中の剣を抜こうとするが、男が手を前に突き出すと爆発が起きてシンは吹き飛んでしまう。

男は立ち上がるとイフリートに駆け寄る。

「あの男は後回しだ。お前、ウロチョロして目障りなんだよ。死ねや」

男が槍を振り上げた瞬間にイフリートは目を閉じてしまう。

その刹那、爆発が起きると男は吹き飛んでしまう。

イフリートが目を開けると右腕をロケットランチャーに変えたシンの姿があった。

シンはイフリートに駆け寄ると右腕を元に戻して訊ねる。

「大丈夫か!?怪我無いか!?」

イフリートが頷くと男の声が響き渡る。

「しくじっちまったな。主様にドヤされちまう。まぁ、良いや。おい。お前、俺以外の奴に殺されるなよ?俺の名はヴァレン。次会うまで首洗って待ってろ」

声が消えると霧が晴れる。

「嫌なこった」

シンがそう言うと茂みからアラストルが現れる。

「良かった。二人共無事なのね」

アラストルが安堵した様に言うとシンは笑う。

「俺が負ける訳無いだろ」

シンはそう言うと扉を開けて先に進む。

扉の先には木で組んだ十字架や石造りの墓が無数に並んでいた。

「薄気味悪いわね」

アラストルが呟く中、シンが先に進むと墓石を押し退けて地面から槍士人形が現れる。

「やれやれ。退屈しねーな」

シンはそう言うと殴りかかるが、槍を振り払われて吹き飛んでしまう。

槍士人形は倒れたシンを穂先で斬り裂こうとするが、シンは槍を避けて立ち上がると何発も殴って槍士人形を打ち飛ばす。

槍士人形は立ち上がると槍を振り回して襲いかかるが、シンは槍を避けるとハイキックを打ち込んで槍士人形を蹴り飛ばす。

槍士人形は墓石を蹴り砕いてシンの元に戻ると槍で何度も突いてから着地と同時に槍を振り払ってシンンを吹き飛ばす。

槍士人形は倒れているシンを穂先で斬り裂こうとするが、飛んできた炎に包まれて倒れる。

燃えたまま立ち上がった槍士人形は炎が飛んできた方向を向く。

そこには構えを取るイフリートの姿が有った。

槍士人魚がイフリートに穂先を向けると空からシンが落ちてきて、槍士人形に蹴りを打ち込んで着地する。

「サンキュー。イフリート」

シンは礼を告げると槍士人形が立ち上がると同時に背中の剣を抜く。

槍士人形が槍を構えて駆け寄ってくると、シンは剣を振り上げて槍士人形を斬り上げる。

落ちて来た槍士人形をイフリートが蹴り飛ばすとシンは剣を背中に収めてから殴りかかるが、起き上がった槍士人形に斬り上げられてしまう。

槍士人形は落ちて来たシンに槍を突き刺すと雄叫びを上げて槍を振り払い、シンを吹き飛ばす。

槍士人形は倒れているシンの元に歩み寄ると槍を振り上げてシンを斬り上げたかと思うと槍を振り下ろしてシンを斬り伏せる。

槍士人形が落ちてきたシンに再び槍を突き刺そうと待ち構えているとアラストルが蒼剣で槍士人形を斬り払う。

シンが苦痛と衝撃に呻く中、ゆっくりと起き上がった槍士人形はアラストルを睨むと槍を構えて襲い掛かって来る。

アラストルが蒼剣を構えるとシンが駆け出してアラストルと槍士人形の間に立ちはだかる。

槍士人形は槍を振り払うが、シンは槍の胴金(どうがね)を握って受け止めると槍と右足で自分を支えたかと思うと左足で槍士人形の顔面に蹴りを打ち込んで蹴り飛ばす。

シンは奪った槍を投げ飛ばして槍士人形に命中させると右腕をライフルに変えてからジャンプして槍士人形の頭部を狙撃する。

「裁(トール)きの銃弾(バレット)!!」

シンの魔弾が頭部に命中すると槍士人形は断末魔すらあげずに砕け散るが、その瞬間に十字架を押し退けて剣士人形が地面から現れる。

「やれやれ。お化け屋敷かよ」

シンはそう言うと剣士人形を蹴って着地する。

シンは右腕を元に戻してから背中の剣を抜くが、起き上がった剣士人形に袈裟斬りにされたかと思うと剣を振り払われて吹き飛んでしまう。

剣士人形がシンに追撃を打ち込もうと駆け寄る中、アラストルが剣士人形に斬りかかる。

蒼剣が打ち払われてしまうとアラストルは転んでしまうが、その瞬間にシンが剣士人形に突きを打ち込んで突き飛ばす。

「アラストル。大丈夫か?」

シンが訊ねるとアラストルは立ち上がり、無言で頷く。

シンはそれを見て頷くと剣を背中に収めたかと思うとその場で正拳突きを打ったかと思うと拳から魔力を撃ち放ち、剣士人形を吹き飛ばす。

シンの魔力で剣士人形が焼かれたかと思うと墓も無い地面から道化師人形が現れる。

「いい加減にしろよ?」

シンはそう言うと飛び上がって地面から出たばかりの道化師人形に飛び蹴りを食らわせようとするが、道化師人形は笑いながら攻撃を避けたかと思うと着地したシンにしがみつき、ナイフでメッタ刺しにしたかと思うと浴びた返り血を吸ってシンに抱きついたまま剣士人形に変化する。

アラストルが斬りかかると剣士人形はシンを蹴り飛ばしてアラストルの剣撃を避ける。

蹴り飛ばされたシンを避けてアラストルが転ぶと剣士人形は二人に襲い掛かって来る。

アラストルは立ち上がると蒼剣で剣士人形の剣撃を受け止めるが、その瞬間に銃声が何発も鳴り響いたかと思うと剣士人形が膝をつく。

アラストルが銃声のした方向を見ると両手を拳銃に変えたシンが居た。

シンは背中の剣を抜くと立ち上がった剣士人形に斬りかかるが、その瞬間に地面から勢いよく飛び出て来た道化師人形に斬り上げられてしまう。

剣士人形はその隙に駆け寄ると落ちて来たシンを再度斬り上げたかと思うと剣を振り下ろしてシンを斬り伏せて地面に叩きつける。

人形たちが倒れたシンに近づくとイフリートが道化師人形に殴りかかる。

急に飛び出して来たイフリートに人形たちが怯んだ隙にシンは立ち上がると剣士人形を何度も殴ってから蹴り飛ばす。

イフリートもシンと同じ様に道化師人形を蹴り飛ばすと二体の人形は同じ木にぶつかって動かなくなる。

シンは立ち上がろうともがく人形たちに回し蹴りを打ち込もうとするが、剣士人形に突きを打ち込まれたかと思うと何処からか飛んできた糸に全身を突き刺されて血を吸われてしまう。

道化師人形が新たに剣士人形に姿を変えると糸が抜けてシンは解放されるが、その瞬間に駆け寄って来た二体の剣士人形に斬り上げられたかと思うと斬り伏せられて地面に叩きつけられてしまう。

剣士人形たちが倒れたシンを斬ろうと剣を振り上げると飛んできた炎に飲み込まれてしまう。

イフリートの炎で一体の剣士人形が炭と化して砕け散る中、シンは立ち上がると右腕をロケットランチャーに変えると炎を纏って悶える剣士人形に向かって撃ち放つ。

激しい爆発が起きると剣士人形は吹き飛ぶ。

シンは腕を元に戻すと蹴り飛ばそうと駆け寄るが、剣士人形は避けてしまう。

シンは尚も蹴る事を諦めていないのか回し蹴りを打ち込もうとするが、剣士人形は先程まで燃えていたとは思えない程軽やかに避けてしまう。

だが、剣士人形がシンの蹴りを避けた先にはイフリートが居た。

イフリートは剣士人形にアッパーを打ち込んだかと思うと左ストレートを打ち込んで剣士人形をシンの元へと殴り飛ばす。

「ナイス!!」

シンはそう言うと足元に有る自分の大剣を拾い上げると同時に飛んできた剣士人形を斬り上げたかと思うと剣をその場で振り下ろして斬り伏せる。

シンが再び剣を振り上げると剣士人形を庇うかの様に地面から道化師人形が飛び出て来るが、その献身も虚しく剣士人形諸共斬り上げられたかと思うとシンが振り下ろした剣に斬られて二体の人形は地面に叩きつけられて砕け散る。

その瞬間に新たに地面から飛び出て来た道化師人形がナイフでシンに斬りかかろうとするが、イフリートがアッパーを打ち込んで打ち上げる。

シンは剣を背中に収めてから振り向くと

「ありがとな」

イフリートに感謝を告げてから飛び上がると回転しながら落ちて打ち上げられた道化師人形を撒き込むと何発も踵落としを打ち込みながら着地する。

「回転(ラウンド)刃(エッジ)!!」

シンの叫びと着地の振動が墓場に響くと地面から新たに道化師人形が現れる。

シンは駆け寄ると道化師人形を蹴り上げようとするが、道化師人形は笑いながらシンの蹴りを避けてしまう。

シンは再び、蹴りを打ち込もうとするが道化師人形は笑いながらシンに抱きついてシンを押し倒したかと思うと馬乗りになってナイフでメッタ刺しにして返り血を浴びて剣士人形に姿を変える。

剣士人形は立ち上がるとシンを蹴り飛ばす。

剣士人形は追撃を打ち込もうと歩み寄るが、シンは立ち上がると両腕をショットガンに変えて近づいて来る剣士人形に魔弾を浴びせる。

「零(ゼロ)距離(ポイント)射撃(ショット)!ダブルショットガン!!」

シンの魔弾を浴びて剣士人形が吹き飛ぶと剣士人形が当たって倒れた墓の下から道化師人形が現れる。

シンは両腕を元に戻すと人形たちに殴りかかるが、道化師人形が投げたナイフが刺さって膝をついた隙に立ち上がった剣士人形に駆け寄られると剣を突き刺されてしまう。

剣を介してシンの血を吸った剣士人形の四肢から鋭い爪が伸びると頭部が醜悪な獣の様な形になって槍士人形に姿を変える。

槍士人形はシンの血を吸って槍となった得物を引き抜くとシンを蹴り飛ばす。

槍士人形が吠えると墓を押し退けて剣士人形と道化師人形が新たに召喚される。

人形たちがシンの元へ向かおうとすると蒼剣が落ちて来たかと思うと全ての人形たちに蒼雷が落ちる。

シンはゆっくりと立ち上がると飛び上がり、落雷を浴びた人形たちの集団に向かって落下していき飛び蹴りを叩き込みながら着地する。

道化師人形たちが砕け散るとシンは蒼炎に包まれた槍士人形と剣士人形を垂直に蹴り上げると落ちて来た二体の人形たちにストレートを打ち込むと共に魔力を撃ち出して吹き飛ばす。

シンの魔力を浴びて黒炎に焼かれながらも槍士人形と剣士人形が立ち上がるとシンは右腕をショットガンに変えるが、槍士人形に突きを打ち込まれて吹き飛んでしまう。

剣士人形は倒れたシンに追撃を打ち込もうとするが、アラストルが蒼剣で剣撃を受け止めると人形たちは標的をアラストルに定める。

だが、その瞬間に銃声が響き渡ると人形たちは倒れる。

アラストルが銃声のした方を向くとそこには両手を拳銃に変えたシンの姿が有った。

だが、槍士人形が吠えたかと思うとシンの背後で剣士人形が地面から出たかと思うとシンを斬り上げてしまう。

だが、シンは空中で体勢を立て直すと両手の拳銃から槍士人形に魔弾を撃ち放ちながら着地する。

シンの魔弾を浴びて槍士人形が砕け散ったかと思うと剣士人形がシンに剣を突き刺して血を吸ったかと思うと新たに槍士人形に姿を変えてしまう。

シンは右腕をショットガンに変えて槍士人形を撃ち飛ばすが、剣士人形に斬り上げられてしまう。

シンは空中で体勢を立て直すと右腕をライフルに変えて人形たちの頭部を狙撃する。

「裁(トール)きの銃弾(バレット)!!」

シンが着地すると人形たちが倒れた人形たちを守るかの様に続々と地面から現れていた。

シンは背中の剣を抜くと斬りかかろうとしたが、その瞬間に竜巻が起こったかと思うと人形たちが斬り刻まれていく。

人形たちの悲鳴が響き渡ると竜巻が血で赤くなっていく。

人形たちの悲鳴が止み、残骸が散らばると竜巻の中からヴァレンが現れる。

「よぉ。さっきぶりだな」

ヴァレンの言葉を聞いたシンは首の骨を鳴らす。

「ん?またお前か?さっき負けた癖にもう出て来たのかよ?まだ、首洗ってねーぞ」

シンがそう言うとヴァレンは口を開く。

「お前と仕組みは違うけど俺も不死身なんでね。ん?そうか。まぁ、心配すんな。てめぇとそこのガキ二匹の血で洗えば嫌でも綺麗になるだろ」

ヴァレンはそう言うと回し蹴りを繰り出すが、シンは左手をサブマシンガンに変えるとヴァレンに魔弾を浴びせる。

シンの魔弾を喰らってヴァレンの動きが止まるとイフリートがアッパーを打ち込んでヴァレンを打ち上げる。

シンは剣を背中に収めると左手を元に戻して落ちて来たヴァレンを殴ろうとするが、ヴァレンに顔面を蹴られて吹き飛んでしまう。

ヴァレンが着地するとイフリートは左裏拳をヴァレンの腹部に打ち込む。

「う”っ……!……クソガキ!!……痛ぇじゃねぇか!!!」

ヴァレンがイフリートを殴ろうとした瞬間にシンが駆け寄って来る。

「お前の相手は俺だろうが!!!」

シンはそう叫ぶと同時にヴァレンの顔面に蹴りを叩き込んで蹴り飛ばす。

シンは着地すると追撃を打ち込もうと駆け寄るが、墓石を蹴り砕いて飛び戻って来たヴァレンが十字槍を召喚して振り払うと斬り払われてシンは吹き飛んでしまう。

ヴァレンは飛び上がると倒れているシン目がけて落下していくが、シンは咄嗟に転がって回避する。

「ちっ!ちょこまかと」

ヴァレンはそう言うと回し蹴りを繰り出すが、シンは蹴りを躱して立ち上がると背中の剣を抜いて突きを打ち込んでヴァレンを打ち倒す。

シンが魔力を込めて刀身を伸ばすとヴァレンは立ち上がり、シンの顔面めがけて蹴りを繰り出すが飛んできた炎に飲み込まれてその場で倒れてしまう。

シンは刀身を伸ばした剣を振り上げると炎を纏ったヴァレンに向かって振り下ろす。

シンが剣の刀身を元に戻して背中に収めるとヴァレンは立ち上がって槍を振り払うが、シンは槍を躱すとイフリートと共にヴァレンを殴り飛ばす。

シンは右手を拳銃に変えるが、墓石を蹴り砕いて飛び戻って来たヴァレンに殴り飛ばされてしまう。

ヴァレンが着地するとイフリートは籠手から炎を放ち、ヴァレンを炎に包む。

ヴァレンが倒れると空からシンが降って来たかと思うとヴァレンを蹴り飛ばして着地する。

シンは右手をサブマシンガンに変えると吹き飛んだヴァレンに魔弾を撃つが、ヴァレンは墓石を蹴って飛び上がると魔弾を避ける。

ヴァレンは石壁を蹴ってシンの元へと向かうと蹴りを打ち込もうとするが躱されてしまい、その蹴りは墓石を粉々に蹴り砕いた。

シンはそのままサブマシンガンを撃つが、ヴァレンが左手を前に突き出すとドーム状のバリアの様な物が出来たかと思うと魔弾は弾かれてしまう。

「主様以外でこの技を出すのはお前が初めてだぜ?」

ヴァレンはそう言うと左手を地面に当てる。

「アン・ファジャラ・クンルー・シェイエン(万物を爆破する)!!」

ヴァレンがスペルを叫ぶと閃光と共に凄まじい大爆発が起きてシンたちは吹き飛ぶ。

周りに有った石壁、全ての墓標、枯れ木、草の一本までもが吹き飛んで周囲が最初から何も無かったかの様な更地になるとヴァレンは倒れているシンに回し蹴りを繰り出すが、シンは蹴りを避けて立ち上がる。

「おいおい。マジか。俺の全力の攻撃を受けて立ち上がるとかお前、化け物かよ?」

ヴァレンの言葉にシンは首を横に振る。

「俺は悪魔で海賊なだけだ。化け物なんかじゃねーよ」

そう言うとシンは両手を拳銃に変えてヴァレンに魔弾を浴びせる。

ヴァレンが膝をつくとシンンは背中の剣を抜いて斬りかかる。

ヴァレンは咄嗟に立ち上がり、槍で受け止めようとするが、シンは槍を弾いてヴァレンを袈裟斬りにする。

シンはそのまま剣を振り上げてヴァレンを斬り上げると剣を背中に収めるが、その隙に空中で体勢を立て直したヴァレンが投げた槍が命中して倒れてしまう。

「ぐあっ……!!」

シンがもがく中、ヴァレンは着地すると槍を勢いよく持ち上げてそのままシンを宙に放る。

ヴァレンは落ちてきたシンに槍を突き刺そうと待ち構えていたが、アラストルが蒼剣で斬りかかってそれを阻止する。

「おいおい。お前も生きてたのか?手加減なんかしてないんだがなぁ」

ヴァレンはアラストルを蹴り飛ばすと先程の様に左手を地面に当てる。

「まぁ、死ぬまで撃ってやるから安心しろよ。アン・ファジャラ・クンルー・シェイエン(万物を爆破する)!!」

再び、閃光と共に凄まじい大爆発が起きるとシンたちは吹き飛んでしまう。

地面がヴァレンを中心にして大きくへこんだ様になるとヴァレンは倒れているシンの元へと向かう。

シンが立ち上がろうとしているとヴァレンは拍手をする。

「おぉ。凄ぇな。海賊ってのはよっぽどタフなんだな。だが、ここまでだ」

ヴァレンがシンを蹴り飛ばそうとすると背後から雷を纏った蒼剣が突き刺さる。

十字槍の切っ先と天を仰いだヴァレンの目と口から雷が飛び出したかと思うとヴァレンの身体は蒼炎に包まれる。

シンが背中の大剣を抜くと蒼剣はヴァレンから抜けて持ち主の元へと戻って行く。

蒼炎に包まれながらも槍で自分を支えるヴァレンの姿は王に跪く兵士の様であった。

シンは大剣に魔力を込めて刀身を伸ばすとその剣を振り上げる。

「これで終いだ。クロスブレイク!」

シンはそう言うと剣を振り下ろした後に真横に剣を振り払ってヴァレンの身体を斬り裂く。

十字に斬られたヴァレンの身体が砕け散るとシンは剣を背中に収める。

「大丈夫か?アラストル。イフリート」

シンの問いかけにアラストルとイフリートが無言で頷くと扉の開く音がする。

三人が音のした方向を向くと周りの石壁が壊れているにも関わらず、無傷で残っている石壁と扉が有った。

「まぁ、他に道も無いしな」

シンがそう言って歩き出すと二人の少女も後を追うのだった。

 24話読了感謝です。

えぇ、新たな敵と言う事で十字槍と爆発魔法の使い手ヴァレンが登場ですね。

1話で2回登場って言うのはなかなか無いレアパターンなんですけどね。

と言う訳で、今回は槍士人形の槍のモデルとヴァレンの槍のモデルについて少しお話したいと思います。

槍士人形の扱う槍。

これは結城秀康と言う武将が使っていたとされる「御手杵(おてぎね)」と言う槍がモデルです。

それに対して、ヴァレンの使う十字槍は森長可と言う武将が使っていた「人間無骨(にんげんむこつ)」と言う槍がモデルです。

次回以降もあまり期間を空けない様に頑張りたいと思っているので今後も読んでもらえるとありがたいです。

では、失礼します。

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