第23話:炎の初陣
攫われたブラックを探して島を探索するシンとアラストルは襲いかかって来たトカゲたちを撃退した後に燃え盛る籠手と激闘を繰り広げる。
シンが勝利すると籠手の中に居た古代の戦神は守護していた少女の魂をシンに預けるのだった。
シンと二人の少女が塔から出ると空には暗雲が広がっていた。
「雨でも降りそうだね」
アラストルが呟くと雷鳴が轟き、シンたちの前に雷が落ちる。
驚いて目を瞑った三人が目を開けるとそこには巨大な鳥が居た。
「貴様か。主様の島で暴れる無法者は。貴様の様な愚か者にも情けを書けるとは主様は実に慈悲深い。抵抗しないなら一撃で終わらせてやる。抗うなら地獄の苦しみを永遠に味わう事になる。選べ」
鳥の言葉を聞いたシンは首を横に振る。
「お前の主って、バカなんだな。不死身の俺を一発で楽になんか出来る訳無いだろ」
シンの返事を聞いた鳥は身体を震わせると目を紅くしてシンを睨む。
「主様を愚弄する事は許さん。地獄すら楽園と感じる苦痛を与えてやろう」
鳥が息巻くとシンは鼻で笑う。
「やってみな」
そう言うとシンはジャンプしたかと思うと鳥の顔面に蹴りを叩き込む。
鳥が吹き飛ぶとシンは右腕をロケットランチャーに変えて吹き飛んだ鳥に向かって撃ち放つ。
鳥の身体が爆炎に包まれるとシンは右手をサブマシンガンに変えて、燃え盛る鳥に向かって魔弾を撃ち放つ。
シンの魔弾を喰らった鳥が怯むとシンは着地と同時に駆け寄り、鳥の胸部に正拳突きを打ち込むと同時に拳から魔力を撃ち出して鳥を吹き飛ばす。
シンは背中の剣を抜くと吹き飛んだ鳥にゆっくりと歩み寄るが、鳥が起き上がって羽ばたくと無数の紫色の雷球がシンに向かって飛んでくる。
「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
雷球を喰らったシンが倒れると鳥は空へと飛び上がり、宙で羽ばたく。
すると、無数の羽が弓矢の様にシンたちに向かって降って来る。
アラストルが蒼剣を抜いて振り下ろすとシンの前に蒼雷が落ちる。鳥の羽矢は蒼雷に当たって燃え尽きて消えていく。
「ほう。俺の他にも雷を扱う者が居たとはな」
鳥が感心した様に言って着地するとシンは立ち上がり、鳥に駆け寄ると剣を振り上げて鳥を斬り上げる。
鳥が落ちてくるとアラストルも蒼剣を振り上げて再度、鳥を斬り上げる。
シンは剣を背中に収めると右腕をロケットランチャーに変えて落ちてくる鳥に向かって撃ち放つが、鳥はそれを見て紫電を放ち、魔弾を爆発させる。
シンは腕を元に戻すと着地した取りに殴りかかるが、鳥が翼を広げて羽ばたいたかと思うと強風で吹き飛ばされてしまう。
シンたちが強風で飛ばされると鳥は駆け寄って来て嘴で啄もうとしてくるが、シンは嘴を避けて立ち上がると背中の剣を抜いて鳥を斬り上げる。
斬り上げられた鳥が落ちてくるとイフリートが躍り出る。
「任せろ!もう一発だ!!」
イフリートはそう言うと落ちてきた鳥を炎を纏った足で再び蹴り上げる。
鳥が悲鳴に似た鳴き声を上げながら落ちてくるとシンは剣を背中に収める。
鳥は落下してくるとシンたちを威嚇するかの様に雄叫びをあげる。
「喚くな。さっさと来い」
シンが煽ると鳥は起き上がり、駆け寄ってくる。
シンは右腕をショットガンに変えるが、鳥に蹴り飛ばされたかと思うと羽ばたいた鳥の無数の羽矢に刺されてしまう。
鳥は倒れて動かないシンを踏み潰そうとするが、シンは右腕をアサルトライフルに変えると迫り来る脚に向かって撃ち放つ。
撃たれた鳥が体勢を崩して倒れるとイフリートは倒れた鳥に何発も炎の拳を打ち込んでから蹴り飛ばす。
シンが立ち上がって右腕を戻すと起き上がった鳥が駆け寄って来る。
シンは鳥の突撃を避けると回し蹴りを打ち込もうとするが、脚で弾かれた後に鳥の羽ばたきで起きた強風に吹き飛ばされてしまう。
シンが吹き飛ぶと鳥は身体を紫に光らせたかと思うと羽ばたいて羽矢を飛ばす。
先程まで放たれていた羽矢と違うのは羽矢の一本、一本が帯電していた事だった。
羽矢がシンに命中すると悲鳴と共にシンの居場所が紫に光る。
鳥はゆっくりと紫の光の場所へ歩いて行く。
倒れているシンを見た鳥は全身を紫に光らせたかと思うと口から放電してシンに紫電を浴びせる。
「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
シンが叫ぶと鳥は勝ち誇った様に鳴きながら、紫に光る翼を広げて羽ばたいた。
だが、風は起きなかった。
その代わりとでも言うかの様に空から無数の紫雷がシンに向かって降り注ぐ。
稲光と落雷の轟音にシンの姿と悲鳴が掻き消されるとイフリートは飛び上がり、鳥の横顔に燃え盛る蹴りを叩き込む。
鳥が倒れると落雷は止み、黒焦げになったシンの姿が露わになる。
「おのれ。小娘……。そんなに死にたいならお前から殺してやろう!!」
鳥が駆け寄って来ると黒焦げになったシンは立ち上がり、背中の剣を抜くと鳥を斬り伏せてから剣を真横に振り抜いて鳥を斬り払って吹き飛ばす。
「シン!?死んじゃったと思ったぞ」
イフリートの言葉を聞いたシンは鼻で笑い
「これで死ぬならお前らにもう殺られてる」と言ってから剣を背中に収める。
起き上がった鳥が向かって来るとシンは殴りかかるが、嘴で突かれて倒れてしまう。
鳥は今までの憂さ晴らしをするかの様に何度もシンを踏みしだくと紫に光り、口から紫電を吐き出してシンに浴びせる。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
シンが叫ぶと鳥はより一層激しく光って口から紫電を吐こうとするが、イフリートに蹴り上げられて嘴が閉じると口の中で爆発が起きて鳥は倒れる。
シンは激痛の走る身体に鞭打って立ち上がると倒れた鳥をイフリートと共に蹴り上げる。
シンとイフリートは鳥を追う様に飛び上がると同時に足を振り下ろして鳥を蹴り落とす。
鳥の巨体が地面にぶつかると土煙が舞う。
シンとイフリートが土煙に咽ながら着地すると鳥は紫に光りながらもがく様に羽ばたく。
すると、鳥から抜け落ちた紫電を帯びた羽矢が土煙の中から出てきてシンに突き刺さる。
「ぐあっ!!」
羽矢が刺さった瞬間にシンの身体に紫電が流れ込むとシンは膝をついてしまう。
その瞬間に鳥が起き上がるのを見たイフリートは戦えないシンの代わりに取りに殴りかかるが、鳥が翼を広げて大きく羽ばたくと強風でシンと共に吹き飛ばされてしまう。
吹き飛ばされたシンは手の届く範囲に有る羽矢を抜くと立ち上がる。
シンが立ち上がると鳥が猛然と駆け寄って来ていた。
「覚悟しろよ?」
シンはそう呟くと背中の剣を抜き、魔力を込めて刀身を伸ばす。
鳥はそれに気づくと翼を広げて風を起こそうとする。
「遅ぇ。もう、射程範囲だ」
シンはそう言うと剣を振り下ろして、鳥を斬り裂く。
鳥が悲鳴をあげるとシンの後ろから炎が勢いよく放たれたかと思うと真正面から鳥の巨躯を炎に包み込んでしまう。
シンが振り返るとそこには、正拳突きのフォームで拳から炎を放つイフリートの姿が有った。
「ヒュー。カッコいいな」
シンが口笛を吹いて褒めるとイフリートは顔を真っ赤にしながらニヤける。
その瞬間、鳥が吠えるかの様に鳴くと燃えたままこちらに駆け寄って来る。
シンは剣の刀身を元に戻して背中に収めると右腕をアサルトライフルに変えて鳥の胸部に魔弾を放つ。
鳥がシンの魔弾で怯み、動きが止まるとイフリートはジャンプしたかと思うとシンの魔弾が当たった所に何発も炎の拳を叩き込む。
イフリートに殴られた鳥が倒れるとシンは右腕をロケットランチャーに変えてイフリートの着地を待つ。
イフリートは着地するとシンの方を向き、シンの右腕がロケットランチャーになっているのを見て目を輝かせるともがいて暴れる鳥の方に向き直り、構えを取る。
「シン!一緒に撃とう!!あの鳥、焼き鳥にして喰っちゃおう!!!」
「喰えるかな?」
シンは苦笑いするとカウントダウンを開始する。
「じゃあ、行くぞ?3、2、1。ファイア!!!」
シンは叫ぶと同時にロケットランチャーを撃ち放ち、イフリートは拳を突き出して炎を撃ち出す。
鳥の腹部でロケット弾が炸裂した瞬間にイフリートの炎に鳥の巨躯は飲み込まれる。
鳥が劈く様な鳴き声をあげるとシンたちは膝をついてしまう。
炎が止むとその隙に鳥は燃えながら飛び上がって何処かへと逃げていく。
「あー!焼き鳥が逃げてく!!」
イフリートが悲しそうに叫ぶとシンは笑いながら腕を元に戻す。
「残念だったな。俺のアジトの有る島に戻ったら鳥の串焼きと揚げ鳥を奢ってやるよ」
「本当か!?」
イフリートが喜んでいると草木を掻き分けてアラストルが現れる。
「二人共、こんな所に居たの?探したんだからね?」
無邪気に笑う二人に呆れた様に言うとアラストルはむくれる。
「アラストル。シンが鳥の串焼きと揚げ鳥をご馳走してくれるって!!」
「え?まさか、あの大きな鳥?それなら要らない」
大喜びのイフリートと対照的にアラストルが困惑して答えるとシンは首を横に振る。
「あの鳥なら燃えながらどっかに逃げちまった。だから、俺のアジトの有る島に着いたら鳥の串焼きと揚げ鳥をご馳走してやるって訳だ」
シンが説明するとアラストルは頷く。
「それならご相伴にあずかるわ。シン?アジトの島に着いてからやっぱ無しとか言わないでね?」
アラストルの言葉にシンは頷き
「勿論。俺は約束を守る男だぞ?」
シンはそう言うと闘技場を目指して歩き出すのだった
23話読了感謝です。
3か月も更新が止まった事をお詫びいたします。
鋭意製作中ですので、お待ち頂けると幸いです。
では、次のお話でお会いしましょう。




